・旧ソ連のシャトルをベースにシエラ・ネバダ社が開発
テストの概要は、ヘリコプターから本機を落下させ、空中滑走させた後、目的地のカリフォルニア・エドワーズ空軍基地着陸地帯へ、無事帰還できるかを確認するというもの。結果は、見事成功。正確な飛行で、関係者に実力を知らしめた。
「Dream Chaser」の製造元は、米国きっての航空機・宇宙船の開発製造会社、シエラ・ネバダ・コーポレーション。旧ソ連の宇宙飛行士乗船ロケットとして製造されたシャトル、BORシリーズをベースに、同社が開発したものだ。
入札当時、「Dream Chaser」には2社の競合が存在した。その後、強力なライバル(ボーイング社、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社)を押しのけ、その権利を勝ち取ったという経緯がある。
・フリーフライトの失敗を経て今回の成功へ
しかし、ここに至るまでは、苦難の連続だったようだ。「Dream Chaser」は、2013年に一度、フリーフライトテストを行ったが、着陸装置の配備に問題があり、滑走路から脱落。損傷はごく軽微だったが、結果として失敗に終わっている。これを教訓に同社は、「Dream Chaser」の内部を、貨物のみに対応するよう再設計。2度のキャリーテストを経て、今回のテスト飛行に臨んだ。
このテストがNASA、シエラ・ネバダ社双方にとって、大きな弾みになったのは間違いない。順調にいけば、2年後の2019年には、宇宙空間へ打ち上げられる可能性も出てきているという。NASAの歴史に、また新たなストーリーが刻まれることだろう。
souce by NASA