健康な体作りのためには、バランスの良い栄養素や糖質量など、日々の食事から気をつけるべき点が少なくない。とはいえ働き盛りの年代であれば、忙しさにかまけて食事も簡素になりがちだ。また、そもそも必要な栄養素がどんな食材に入っているのか知らず、それをいちいち調べるのも手間と感じる人もいるだろう。
近年、海外のブームが紹介される形で、1食に必要な31種の栄養素が全て入っている「完全栄養食」が日本でも注目を集めている。2016年には、DeNA出身の橋本 舜(はしもと しゅん)氏らを中心に立ち上げた、株式会社ベースフードが世界初の完全栄養パスタ「BASE PASTA」を開発し、大きな話題になった。
住んでいたマンションの製麺機で、試行錯誤しながらBASE PASTAを開発した時代から、先日はシードラウンドで1億円を調達するまでに急成長を見せる同社。代表取締役である橋本氏に、開発のきっかけや今後の展望などを聞くことができた。
Q1. このサービスをスタートさせることになったきっかけや想いを聞かせてください。
前職で、公共交通機関の撤退した過疎地での自動運転バスの事業を進めるなか、住民、政府や自治体の方々のお話をお聞きして、少子高齢化の進む日本において、豊かな社会を維持するには、健康寿命を延ばす必要があると感じていました。
一方、自分自身の生活の中で、バランス良く栄養素を摂ることの難しさを感じており、簡単に栄養バランスを良くできるプロダクトがあれば、広く社会にも、自分や友人知人にも、役に立てると思いました。
Q2. どのようにして、BASE PASTAはそうした栄養バランスを実現できたのでしょうか。
小麦全粒粉、チアシードや昆布粉末などの栄養豊富な食材を、栄養士さんと同じ方法で栄養計算し、栄養バランスが最適になるよう組み合わせています。
美味しさにもこだわっており、料理を作るように、栄養バランスと美味しさが両立するよう、材料の組み合わせを工夫しています。
Q3. ユーザーや導入企業の反応はどのようなものがありましたか?
ユーザー様からは「生麺のモチモチした食感が好き(30代女性)」「穀物の風味がして美味しい。玄米が好きな人は特に気に入りそう(20代女性)」「忙しい時でも簡単に栄養バランスを摂れるので助かる(30代男性)」といったコメントをいただいております。
導入企業様からは次のような反応がありました。横浜DeNAベイスターズ ラミレス監督からは「ビタミンやタンパク質を多く含んでいて、しかも食べた後に胃もたれしないので、試合前に食べることで、良い状態でプレーに入れるんです」といった声をいただきました。
イタリア郷土料理店「ペペロッソ」の今井和正 総料理長は、BASE PASTAについて「チアシード由来の穀物の香りが食欲をそそります。ライ麦や蕎麦に通ずる独特の香り。 小麦粉にはない複雑な香りが、いつものパスタより一段階リッチな気分にさせてくれる一品だと思いました」と話してくれました。
Q4. ベースフード社の今後の展開について、教えてください。
BASE PASTA の食べ方のバリエーション展開を増やします。例えば、オフィス等でお湯をかけるだけで食べられるものを準備しています。パスタ以外の完全栄養の主食も開発します。例えば、完全栄養のパンやラーメンを作ります。
そして、海外展開を進めます。まず、2018年のはじめにアメリカで販売開始できるよう、準備を進めています。
調理も簡単で、一日に必要な栄養素が簡単に摂取することができるBASE PASTA。気になる方は、まずは一度、生活に取り入れてみてはどうだろうか。今後もベースフード社からますます目が離せない。
(取材・文 shimamura)
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