ダイエットに励む人の中には、日々の運動を行いたいのだけど、なかなか続かない人が多くいるだろう。そんな人に向けたダイエットサポートアプリが「kilos」だ。「kilos」は性別、生年月日、身長、体重の基本情報を入力するだけで、ユーザーにあった理想の体型を導き出し、その体型に近づくための運動プランを難易度別の3段階に分けて提案する。ユーザーは自分のレベルに合ったプランを選ぶことで無理なく運動を続けることができる。

また、Apple社が提供するHealthKitに対応しているため、スマートフォンを持って歩く・走るだけで運動量が自動的に記録される。そのデータをもとに日々のカロリー消費量をモニタリングし、運動量が足りない場合は期限内に目標達成できるように、自動的にプランが補正されるので、効率的なダイエットを促す。

開発元は、人気の生理周期管理アプリ「ルナルナ」を手掛けているエムティーアイだ。今回は、同社のヘルスケア事業本部ルナルナ事業統括部統括部長である宮本 大樹(みやもと ひろき)氏にサービスの始動の経緯と狙いについて話を聞かせてもらった。

・消費カロリーを可視化するダイエットアプリ

Q1:まずは、「kilos」のサービス開始に至った経緯をお聞かせください。

ダイエットというと食事制限による摂取カロリーを減らす方法を選択する人も多いと思われますが、極端な食事制限は体調不良を招くリスクがあるなど、周囲から心配されることもあります。一方、運動による消費カロリーを増やす方法は生活習慣病予防にも繋がるメリットがある他、健康的なイメージが強く周囲からも応援や尊敬されることも多いと思いました。そこで、運動による消費カロリーを意識するアプリがダイエットを実施する利用者に受け入れられるのか検証を開始しました。

Q2:従来のヘルスケアアプリと、異なる点はどういった点ですか。

ダイエットの為に運動を始め、継続していくことはハードルが高いと思われがちです。また、運動といっても何をどのくらい実施すれば何kg痩せられるのか？など分からないことが多いと思います。そこで「kilos」では、みんなが考える理想の体型と自身の体型のギャップを数値で示すことでダイエットを始めるきっかけを作り、日毎にどのくらい”歩く/走る”を実行すれば痩せられるのかを提示することにしました。また、飲み会など用事があり走れない日もあると思いますので、毎日実行できない場合でも日々の運動状況に合わせて提示する運動量を自動で更新し、週単位や期間全体で目標の消費カロリーを達成できるようにしています。

・高いハードルより継続を優先

Q3:目標設定の際、3つのプラン設定にされたのはなぜですか？どのプランを選ぶ人が多いですか？

スタート当初は、スタンダードプランとチャレンジプランの2つのプランで開発を進めていました。アプリをリリースする前に社内からモニターを募りアプリを利用して目標達成に向けて実行してもらったところ、スタンダードの目標に達しない利用者が多い状況でした。その結果を踏まえ、まずは運動したという達成感を味わいながら継続してもらうことを重視し、厚生労働省が策定した「健康づくりのための身体活動基準2013」が推進する運動量を基準にヘルシープランを追加してリリースしました。現在の利用状況では、3つのプランがほぼ均等に分散しています。

Q4:今後、「kilos」では、どのようなアップデートが予定されてるのでしょうか。未来の展望をお聞かせください。

現在はウォーキング・ジョギング・ランニングといった運動のみを対象としていますが、サイクリングやスイミングといった有酸素運動も対象とするよう広げていく予定です。また、天候に左右されずに運動できるフィットネスクラブやスポーツジムなどで実施できるダイエット系のスタジオエクササイズも対象として広げていきたいと考えています。その他、歩数レースを過去の運動量でグルーピングしてグループ毎の開催レースを増やし、運動量の少ない利用者にもレースで優勝を目指せるような仕組みや、ダイエット期間中に簡単に使えるツールを随時追加していく予定ですので、楽しみながら「kilos」を利用して頂きたいと思います。

なお、「kilos」は10月12日、App Storeのヘルスケア/フィットネス部門トップ無料ランキングでトップ10を獲得したとのこと。自分の運動量が目に見えて確認できるだけでも、ユーザーの大きなモチベーションに繋がっているのだろう。今後、「kilos」はどのような進化を遂げていくのか。今後の展開に、期待したい。

（取材・文　釣見　駿）

ダイエットサポートアプリ kilos をApp Storeで