IoTシーリングライト「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」の開発は、そんな思いから始まった。毎日繰り返される“おやすみ”と“おはよう”の時間に、子どもの世界観を広げる厳選コンテンツと、親向けの子育てコンテンツを、壁一面に映し出すスマート家電。AI音声認識によって操作し、ライトの色も選択可能。“うごく太陽系”“学習ポスター”“童話の朗読”など、壁をプロジェクターに見立て、豊富な知育コンテンツを提供する。子どもの知性を育みつつ、親子の絆を深める、愛に満ちた製品だ。
現在、Kickstarterで支援募集中の本品。評判は上々で、目標額に向けて、着々とサポーターを増やしているところだ。開発元であるpopIn社の代表取締役、程 涛(てい とう)氏に、早速話を聞いた。
・3児の父の思いがいっぱいに詰まった製品
Q1:まずは、このような製品を開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。
私には実生活において、3人の子ども(4才、2才、0才)がいます。その子たちと一緒に過ごしながら、「家の中で子どもの世界観を広げる方法」を、模索してきました。それで、壁に貼った学習ポスター(地図、九九表など)を見ているうちに、毎日壁一面でいろいろな学習情報や、自然に接触できればいいな、と考えようになったのです。
それを実現するために、自ら市販品のプロジェクターを利用して、実験を繰り返しましたが、満足するものが世の中にはありませんでした。そこで、「こうなったら自分で作るしかない!」と決意し、本製品の開発に至りました。
Q2:今回、2つのメディアとのコンテンツ連携を発表されました。この連携によって、製品はどのように変わったのでしょうか。
これまでに、3つのメディアおよびサービス(こそだてハック、いこーよ、小児科オンライン)と提携してきました。この提携によって、子どもの世界観を広げるだけでなく、親が簡単に必要な子育て情報を入手できる環境も、実現できました。
さらに、子どもが病気になったときなどの緊急時に、小児科の先生にも相談できる、新しい魔法のランプのような存在に近づけたと思います。他社との連携は、今後も進めたいと考えております。
・CEATECでもお披露目
Q3:開発にあたって最も苦労されたのは、どんなどころでしょうか。
popInは元々ソフトウェアの会社であり、ハードウェアを開発・販売した実績はありません。そのため、いかにハードウェアを作るかという基本的な部分に、一番苦労しました。
幸い、ハードウェア開発経験が豊富な協力会社からサポートを得て、無事スケジュール通りに、デモ機が完成しました。おかげさまで、CEATECという家電IoTイベントで、お披露目することもできました。
Q4:クラウドファンディング以降の展開について、教えてください。
クラウドファンディング終了後は、来年の量産フェーズに向けて、生産豊富の製造業者と組み、満足していただける製品レベルまでブラッシュアップして、皆さまへお届けします。それまでに、多くのメディアと、サービス提携などを増やしていくつもりです。
子育ての期間は短い。親子がともに過ごし、楽しむ時間はごくわずかだ。一瞬の光の矢のように貴重な時を、大切にしてほしい。本品には、そんな願いが込められているように思う。(取材・文 乾 雅美)
popIn Aladdin