この点に着目したのが、2009年設立のディスカバリー社。彼らが考案したのは、組織のエンゲージメント向上を支援するクラウドサービス「engauge.works(エンゲージ・ドットワークス)」だ。ITの長所を可能な限り生かし、個人やチームのパフォーマンスを最大限まで上げていく。
10月11日に、ベータ版がリリースされたばかり。サービスの詳細について、代表取締役社長の島田 祐一朗(しまだ ゆういちろう)氏が語ってくれた。
・AIを活用し、適切な情報収集とシェアリングを実現
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
組織と社員の間に強い信頼関係があり、社員が生き生きと働くことができる企業。それこそ、日本の目下の課題である「生産性向上」という目標に、いち早くたどり着けるのだと、ディスカバリーズは考えています。
しかし、在宅・リモートワークの可視化だけでは、どうしても企業が社員を管理している、監視しているような風潮が出てしまうことが少なくありません。働き方の可視化のみならず、社員や組織のエンゲージを上げるご支援をしていきたい。そんな思いから、「engauge.works(以下、エンゲージ)」は生まれました。
Q2:「エンゲージ」とは、どんなサービスなのでしょうか。従来のビジネスコミュニケーションサービスとの違いと併せて、教えてください。
社内にもインターネット上にも情報があふれ、私たちは必要な情報を選別して処理することに、多くの時間を消費しています。「エンゲージ」は、人工知能(AI)を活用して、個々に合った適切な情報収集を行うとともに、効率的な情報共有を通じて、個人やチームのパフォーマンスを最大化することを目的としています。
従来のビジネスコミュニケーションサービスとは異なり、社員やチームのエンゲージを高めるため数々の仕掛けが、機能として搭載されています。
・来年春頃に正式版をリリース
Q3:本サービスを導入することで、企業はどのようなメリットを、得られるのでしょうか。
「エンゲージ」は、社員に価値ある情報をつなぎ、成果のためにチームをつなぎ、そして組織のゴールと社員のゴールとをつなぎます。企業は、すべての社員が生き生きと働ける環境作りの一環として、「エンゲージ」を活用することができます。
社員一人ひとりの判断や、裁量を尊重しあう企業文化の中で、お互いが連携して仕事ができる環境は大切です。そのような組織の中では、価値ある情報が行き交い、コミュニケーションが盛んになります。「エンゲージ」は、社員と組織のエンゲージを高めるコミュニケーションを、促進していきます。
Q4:サービスの今後の展開について、教えてください。
今回提供を開始したクラウドサービスはベータ版ですが、2018年春に予定されている正式版リリース時には、スマホアプリも展開します。将来的には働き方の可視化、メンタルヘルスのモニタリング、情報活用で取得したマイルの福利厚生活用など、さまざまな機能拡張を行う予定です。今後はユーザーからのフィードバックを収集し、タイムリーな機能改善と新機能の追加を、行っていくつもりです。
会社の言いなりに働く時代は終わった。組織は、社員全員で作り上げるもの。それには、一人ひとりが「参加している」という自覚を持つ必要がある。本サービスには、個人のモチベーションを上げる工夫が満載。毎日楽しみながら、企業を成長させることができそうだ。(取材・文 乾 雅美)
engauge.works