「Macunx」と呼ばれるVRプラットフォームを活用すれば、短時間で多くの学習内容をインプット可能だ。基本的に想像力を働かせながら覚えていくため、一旦覚えた内容をド忘れする心配はないという。
・英国の言語学博士が開発
「Macunx 」は英国のLinguisticatorが開発。同社は言語・記憶トレーニングに特化した教育系スタートアップだ。
同社の創業者であるAaron Ralby博士はゲルマン語派を専門とする言語学者である。米国への留学経験があり、メリーランド大学ボルチモア校では近代英語学、言語学を専攻し、首席で卒業した。
その後、コーネル大学に進学し、修士号および博士号を取得。さらに、ケンブリッジ大学が学部生向けに開講中の「アングロサクソン語・ノース語・ケルト語プログラム」を受講し、ブリテン島およびスカンジナビア半島の中世の言語・歴史に関する知識と教養を深めた。
アカデミックポストに就くことを諦めたRalby博士はアイルランドやドイツでの就労を経て2011年1月、英国のケンブリッジ地方にLinguisticatorを設立。
以後、様々な業界の顧客とグローバルビジネスを展開する傍ら、研究者時代に培ってきた知識をベースに機能的な言語習得法を考案。ウエストミンスター大学と共同で学習向けVRプラットフォーム「Macunx 」を開発した。
・空間知覚とイメージ力を連動して記憶
我々人間は3次元の世界で生きており、例えば空間知覚を介して部屋のレイアウトを認識する。アルツハイマー病でない限り、こうした日常の記憶はしっかりと保持される。この原理を学習の場面に応用したのが「Macunx」である。
まず「フリービルド」モードで “記憶の館”を生成。「誘導モード」でこれから学びたいと思っているテーマを選択し、「インストラクターモード」に移ると、選択したテーマの基本ユニットが表示される。
映像を進めながら、化学の周期表やウェールズの王(女王)の名前をイメージとともに記憶に定着させていく。こうして、部屋のレイアウトを思い出すように、周期表や歴史上の重要人物に関する記憶を脳内で再生させることが可能となる。
Linguisticator