ツール上で2Dにより設計されるロボットは、歩いたり車輪を使ったりして移動できるものだ。
「インタラクティブ・ロボガミ」と呼ばれるこのツールでは、データベースに登録されている2Dのパーツを、バーチャルなLEGOセットのようにして組み合わせていく。
こうした特殊な設計方法がもたらす最大のメリットは、設計プロセスが直感的なものとなり、より自由な創造が可能となることだ。
・3Dプリントの可能性が広がる製作技術
折り紙ロボットの製作では、まずデータベースに登録されたパーツをクリックまたはドラッグしていき、設計を完成させる。
ありがたいことにユーザーは、完成形ロボットの幾何学的形状と動きの組み合わせをいちいち考えなくてもよく、ツールが歩きかたや車輪の使い方を提案してくれるようだ。
また、ロボットを実際に製作する前に、シミュレートによる動作の確認ができる。ユーザーが設計に納得いった時点で、システムは完全な製造計画の出力をおこなうことになる。
これには、3Dプリンタで何を印刷するかを示したファイルの送信、接続の必要がある電子部品リストの出力、ロボットに指示を出すコントローラー用のソフトウェアの作成といった工程が含まれる。
設計された折り図は3Dプリンタによってプリントアウトされ、組み合わせて立体のロボットとなる。2Dのデザインから3D製作ができるこの技術によって、従来よりも多様な形状のプリントが可能となり、3Dプリントの可能性が広がることだろう。
・数時間以内にオリジナルロボットが完成
このツールを活用すれば、数時間以内にロボットを印刷して組み立て、机の上を歩かせることが可能とのこと。
すばやく設計・構築できる折り紙ロボットは捜索や救助作業など、ロボットの迅速な配備が要求される場面で活躍するだろう。
また、折り畳んだり、平坦にしたりできる折り紙ロボットは、コンパクトな保管と輸送が必要な場面にも最適だ。最小の包装での輸送を可能にするほか、スペースや重量をできる限り節約したい宇宙開発分野では理想的な技術となるだろう。
この研究の主な目標は、ロボット技術のエキスパートではない人々が、折り紙を折るように直感的に、パーソナライズされたロボットを設計できるようにすることだという。将来的には、役割が特定された大量生産のロボットに頼らなくても、誰もが即席で、用途に合わせたロボットを設計・構築できるようになるかもしれない。
参照:These Small Robots are Inspired by Origami