近い将来、1枚のセルフィーで膵臓がんの診断が手軽に行えるようになるかもしれない。
・新生児向け黄疸診断アプリを改良
米国のワシントン大学のユビキタスコンピューティングラボは以前、新生児の黄疸診断向けスマートフォンアプリ「BiliCam」を開発。新生児の皮膚の写真で学習済みであり、すでに530名の新生児の黄疸で高精度な診断を実現している。
そして、これを膵臓がん向けに改良したのが「BiliScreen」だ。
・膵臓がんの初期症状を検出
「BiliScreen」を用いれば、スマートフォンでセルフィーを撮り、画像を添付するだけで膵臓がんの診断が容易に行えるという。
スマートフォンのカメラで目を撮影すると、「BiliScreen」のコンピュータビジョンアルゴリズムに基づき白目部分を自動的に隔離。反射・吸収した光の波長から強膜の色に関する情報を抽出し、機械学習アルゴリズムのデータと比較する。こうして、比較的初期の段階で、目の強膜中のビリルビンの濃度の上昇を検出できるようになっている。
・現行の血液検査よりも高精度
70名の被験者により良い条件下でアプリを使用してもらったところ、89.7パーセントの精度で正確に識別可能であることが判明。現行の血液検査と比較しても高精度であるという。
なお、撮影時にグーグルのスマートフォン用VRデバイス「グーグル・カードボード」を併用することで、映りが良くなる分、診断精度にも反映されやすくなる。
裸眼で確認できないレベルのものも発見可能であり、次世代の膵臓がんの検査法として期待が持たれる。
University of Washington