世界保健機関(WHO)によると、現在、世界で3億6千万人が難聴に悩まされているとのことだが、この悩みは歳をとればすべての人が遭遇するものだろう。
そんな難聴からの悩みを改善してくれるかもしれないテクノロジーが登場した。シンガポール工科大学の開発チームは、メガネに装着することで、音を光に変換して、音源の方向を瞬時に教えてくれるデバイスを開発した。
・音がした方向を光って知らせる
「Peri」と呼ばれるこのデバイスは、ゲームからインスピレーションを得て開発されたという。アクションゲームなどによくある、画面外の敵に撃たれた際に、画面の端が赤く光ってダメージを受けたことを知らせるものだ。
Periでは、ゲームと同様に音がした方向で光が点滅する。眼鏡のコーナーに取り付ける4つのマイクでは、反応する音の感度が調整できて、最も大きな音がした方向を光で示す。コストを抑えるために市販の眼鏡に装着できるクリップタイプのものにしたとのこと。
・より合理的なデザインと機能を追求
Periの設計は世界的にも評価されており、課題解決のための優れたエンジニアリングデザインを選出する、「ジェームズ・ダイソン・アワード2017」でも賞を受賞している。
現在、Periのプロジェクトの途上で、将来的には、より合理的で小さく、邪魔にならないようなデザインになるよう開発が進められている。
また、開発チームは、騒音の多い環境でも、重要な音を的確に選出するようなオーディオアルゴリズムのチューニングにも力を入れているようだ。洗練されたバージョンのPeriでは、光センサを搭載し、音源の方向を示すLEDの明るさを周囲の光レベルによって調整するとのこと。
まだプロトタイプの段階のPeriだが、市場に投入されれば多くの人の生活の質を改善できると考えられ、今後の発展が期待される。
参照元:'See' sounds around you with these eyeglasses for the hard of hearing-Mashable