そんななか、米国のスタンフォード大学はNASAのジェット推進研究室(JPL)と共同で、宇宙空間のゴミを一掃するロボットを開発中だ。
・ヤモリ並みの吸着力を発揮
従来、ゴミと磁石との間に生じる磁力を利用して、ゴミを移動させる技術が重宝されてきた。しかしその方法だと、基本的に磁力が生じる物体同士でしか通用しない。
そこで開発されたのが、ヤモリを象ったグリッパーだ。ヤモリが壁に縋りついている状態からヒントを得たという。
ヤモリの足の裏には無数の羽のようなものが存在するが、その細部まで本物に近い形で再現されている。
何らかの物体の表面に対して静かに接触すると、物体との電位差により微量の分子間力が生じ、実物と同様の吸着力を発揮する。例えば、ソーラーパネルなどの平らな物体から曲がったロケットのボディまで、あらゆるモノを吸着することが可能だ。
・重力ゼロの環境下の実証試験に成功
ロボットは宇宙船の表面を這い回りながら欠損部分を点検・修繕する。初期の実証実験では、国際宇宙ステーションを含む、重力ゼロの環境において有効であることが確認されている。さらに、国際宇宙ステーションの外での実証実験を経て実用化される。
Stanford University