だが現実問題、ガジェットマニアでない人に3Dプリンターとその取扱説明書を渡して「これで好きなものを作ってください」と言っても、「使い方が分からないから」と断られてしまうのではないだろうか。
そう考えると、本当の意味での3Dプリンター普及はまだ達成されていない。誰しもが使えるようにならなければ、どんなに優れた製品も「無用の長物」と化してしまう。
・「すごく簡単!」の声
クラウドファンディング「Kickstarter」に登場した3Dプリンター「Sculpto+」。これは「誰でも簡単に扱うことができる」という点を売りにした製品だ。
まず、そのデザインから姿勢が窺える。3Dプリンターというものは、テクノロジーに詳しくない人から見て「これは一体何なんだ?」というデザインのものが少なくない。お世辞にも部屋と調和しているとは言えないものもある。だがSculpto+は、部屋の雰囲気を台無しにするような無骨な姿では決してない。
そして、この製品のPR動画では老若男女6人の被験者を登場させている。おじさんやおばさん、女の子、音楽が趣味の若者などである。もちろん、最先端技術のプロというわけではない。
とりあえず、彼らに取扱説明書だけを渡してみる。それを頼りに手探りでセッティング。だが、意外にも簡単にプリンティングまでこぎつけてしまう。Sculpto+はタブレットと連動しているから、何を作るかは液晶画面をタップして決める。
異口同音に出てくる言葉は「すごく簡単!」。6人全員が、どうやら3Dプリンターというものはもっと難解な機器だと思い込んでいたようだ。その分だけ、プリンティング完了後の感動は大きい。
・日本への配送は未対応
このSculpto+は9月6日現在、2399デンマーク・クローネ(約4万2000円)からの投資で提供を約束している。これは500g分のフィラメント込みだ。
配送予定は割と早く、今年11月となっている。すでにプロダクト化しているということだろうか。
ところが残念ながら、日本への配送は受け付けていないようだ。配送先国の選択欄に「Japan」がない。これに関しては、日本での販売代理店の出現を待ち望むしかないだろう。
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