AIやLPWAなど、最先端技術を駆使したIoTデバイスを多く手掛けてきたハタプロも、例外ではない。彼らが開発したのは、手のひらサイズのAI搭載小型ロボット「ZUKKU(ズック)」。8月7日から約2週間、誰もが知る大型商業施設での実証実験を終えたばかりだ。
愛くるしいルックスとは裏腹に、先端の機能で見る者を圧倒する「ZUKKU」。導入の結果は、いかがなものだったのだろうか。同社広報担当者に、詳しい話を聞いた。
・先端の機能を搭載した扱いやすい小型ロボット
Q1:まずはさかのぼって、「ZUKKU」開発のきっかけから、お聞かせください。
「ZUKKU」はもともと、車向けの製品として開発されたものです。小型でどこにでも置け、バッテリー付きで置き場所に困らず、さらには顔認証をしてその人にあったガイドをするという特長があります。(そこに興味を抱いた)店舗や施設からの問合せが多かったため、リテール版を開発しました。
Q2:コミュニケーションロボットが市場に多く出回る中、他社製品とはどのような形で差別化されているのでしょうか。「ZUKKU」ならではの特長と併せて、お話しください。
既存のロボットは自己完結した機能を持ち、高価で大型です。これに反し、「ZUKKU」は、手のひらに乗るほど小さなものです。さらに低価格で、どこにでも置ける親しみやすいデザインを施しました。高度な処理については、クラウドやサーバーを活用しています。
機能として真っ先に挙げられるのは、SIM内蔵でいつでも自立通信できること。個人データを取得しない特殊なカメラで、高セキュリティにデータ取得します。そこからクラウドAIがリアルタイムにデータを分析し、人やその時間、場所に合わせた最適なガイドで、ユーザーを導きます。
・商用版のリリースも予定
Q3:某大型商業施設で行ったという実証実験。来店客からの反応は、いかがなものだったのでしょうか。
小型ですぐ手に取れるため、目を見たり、話しかけるなど、動物と触れ合うようにかわいがっていただきました。お子さまはもちろん、親御さんたちにも好評でした。おすすめを聞かれましたし、提案された商品について、興味を持ってもらえたようです。
Q4:前述のような店舗企業における実証実験は、以後も行っていくのでしょうか。今後の展開について、教えてください。
実証実験は、引き続き業種を問わず実施していきますが、商用版としてのリリースも、早い段階に行う予定です。「ZUKKU」を活用したオリジナルカスタマイズの相談も来ておりますので、今後導入は、進んでいくことと思われます。
今回の実証実験では、各レストランのメニュー紹介や、エリアの通行人数計測などを行ったという。担当者の話から察するに、手応えは十分だったようだ。ロボットによる顧客拡大も、もはや夢ではないだろう。(取材・文 乾 雅美)
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