「バイオペン」と呼ばれる魔法のペンを損傷部位に当てるだけで、新たな軟骨細胞が生成され、膝の痛みが緩和されるという。
・インクを損傷部位に流し込むだけ
軟骨の原料となり得る細胞は、アルギン酸(海藻成分の一種)を含むバイオベースポリマー、さらにその外側のゲル状の物質により保護。ペンのヘッド部分にこの2層のインクが充填されている。
普通のペンを使う感覚で、軟骨の表面にペン先を当てると、インク、つまり3Dプリントされた患者の生きた細胞が出てくる仕組みとなっている。
こうして、軟骨の損傷部位にインクを流し込むことで、すり減った軟骨を元の状態に戻すことができる。
・紫外線の照射でインクの凝固時間を短縮
さらに、ペンの内部には紫外線の光源が内蔵されている。
患部に紫外線を照射することで、インクの凝固が促され、結果として手術時間の大幅な短縮が期待できる。
羊を使った臨床試験では、特に術後の合併症は見られなかったという。人体での臨床試験は1年以内に開始される予定。
University of Wollongong