そんななか、オランダのトゥウェンテ大学の研究者らが開発したのが、より正確な手術生検を実現可能な世界最小の3Dプリントロボット「Stormram 4」だ。
・空気圧で動く極小ロボット
「Stormram 4」はMRIスキャナの狭いトンネルの内部へ入っていけるほどの極小サイズだ。ロボット本体の動力源は空気圧であり、MRIスキャナの外から5メートル長の空気パイプで制御される仕組みとなっている。
MRIスキャナとの親和性を考え、表面はプラスチックで仕上げられている。
・MRIと針生検の組み合わせにより正確な手術を実現
MRIで胸部をスキャンしている間に、ロボットが針で組織の一部を除去することが可能であり、乳がんのスクリーニング検査の新手法として注目を集めている。
加温(または冷却)された針の先を腫瘍細胞に近づけ、腫瘍細胞を取り除く。針の先は腫瘍細胞に一切触れないため、患者への身体的負荷はほぼゼロだ。
より正確なタイミングでの穿刺が高く評価され、6月下旬、英国ロンドンで開催された世界最大のロボット手術関連イベント、ハムリンシンポジウム2017の外科ロボットチャレンジ部門において栄誉ある賞を獲得した。
「Stormram 4」が標準的な外科プロセスに組み込まれるのも時間の問題であろう。
University of Twente