テクノロジーとともに楽器は変容し、同時に音楽も新しいものになる。それは当然の流れである。
・微妙なタッチで音を変える
「音楽の国」オーストリアのメーカーが「mPIANO」というものを発表した。
見るからに未来的なデザインの、今までにないキーボードである。
mPIANOは、iPadとの連携を前提に設計されている。88の鍵盤はそのひとつひとつにセンサーが組み込まれていて、微妙な接触の違いによる音の変化を設定することができる。
白鍵は筐体の奥まで伸びているので、それを「押し込む」という操作もできる。どのような音を出すかは設定次第だ。
要するにmPIANOはMIDIコントローラーなのだが、その視点から見ても極めて斬新な設計であることに変わりはない。グロッケンやビブラフォンのように、鍵盤打楽器として利用することも可能だ。
タッチセンサーの進化が、楽器に「繊細な操作」を付与したのである。
・日本との意外なつながり
クラウドファンディングサイト「Kickstarter」に用意されたmPIANOの投資枠が、また面白い。
製品自体は8000ユーロ(約100万円)からの出資で提供されるが、じつはそのあたりは重要ではない。mPIANOの開発に携わったミュージシャンのジョーダン・ルーデスと15分間Skypeで話せる権利というのが、250ユーロ(約3万2000円)で手に入るというのだ。また300ユーロ(約3万9000円)の投資枠では、9月に豊田市民文化会館で開催予定のドリームシアターの公演チケットが提供される。
意外な部分で日本とつながりがある製品なのだ。
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