ARとは、目で知覚される現実の視覚情報に、ディスプレイを通して、デジタル合成された情報を重ねて表示するもので、“本当はその場にないもの”を、仮想的に存在するように見せる技術。このARテクノロジーを取り入れたEコマース向けのサービスを、フランスにベースを置くAugmentが開発中だという。
タブレットやスマートフォンのディスプレイ越しに、“Augmentのロゴ”がプリントされた特殊なマテリアルを映し出すと、そのマテリアルがあった場所に、該当する商品アイテムの“バーチャル3D画像”が実際の空間の中で再現される。このバーチャル画像はあらゆるアングルから眺めることが可能で、リアルの生活空間の中でどう収まるのか、仮想的に体験することができる。Eコマースを利用する客は、自分が欲しい商品、たとえばソファを買いたいと思っている場合、家具を置こうと思っているリビング内で、バーチャル画像を配置して見てみることで、部屋の空間にマッチしているか、試してみることができるというわけ。家具以外にも、絵画やポスター、壁紙などのインテリアも、お試し感覚で気軽に試すことができそうだ。
ともすると情報が不足がちなオンライン上の買い物において、顧客たちにとって、実物をイメージする大きな助けとなり、ECサイト運営者たちにとっては、顧客のイメージ違いなどによる返品のリスクを減らし、販売を促進する効果が見込める。開発チームは、すでに22万ユーロの投資資金を集めており、今後ヨーロッパだけでなく、アメリカ市場にも乗り出す予定だという。
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