今年2月から、一般販売を開始。以降、専用アプリケーションの定期的なアップデートやレスポンスの改善、会話の質の向上に取り組んできた。最近では、対個人のコミュニケーション機能をさらに強化。よりスムーズに、ロボットとの対話を楽しめるようになったという。
海外製品に押されがちなパーソナルロボット市場の中で、めざましい成長を遂げている本品。開発を手がけたFRONTEOコミュニケーションズ、ロボット事業統括の江副 滋(えぞえ しげる)氏に、詳しい話を聞いた。
・より愛着がわくよう、会話の機能を強化
Q1:まずはさかのぼって、「Kibiro」開発のきっかけからお聞かせください。
FRONTEO( FRONTEOコミュニケーションズの親会社)は、人の暗黙知や判断を学習し、機微を理解する人工知能KIBIT(キビット)を独自開発しています。KIBITはこれまで主に、リーガルの分野で活用されてきましたが、活用の場を広げ、一般消費者に対する価値の提供も進めています。
「Kibiro」は、一般消費者とKIBITとのコミュニケーションを具現化する存在として、人工知能のインターフェースとなるべく、開発した製品です。
Q2:コミュニケーション機能が強化されたとのことですが、具体的にはどのように変わったのでしょうか。詳細について、改めて教えてください。
「『Kibiro』はコミュニケーションの相手である」とオーナーに意識づけることを目的とした、機能強化を行っています。
例えば、アプリの入力インターフェースをチャット形式にすることで、「Kibiro」との対話が日常であることを意識づけながら会話を覚えさせたり、思ったとおりの言葉を言わせるなど、より愛着を持ってもらうための機能を追加しました。日常会話のシナリオの増強も行い、オーナーの状態に合わせて、返答を変えるような工夫も盛り込んでいます。
・日常の中に自然といるような存在にしたい
Q3:ロボット全盛時代の昨今。コミュニケーションロボットと称する製品は、市場に多く出回っていますが、それらと「Kibiro」との決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
一般消費者向けの「Kibiro」は、「オーナーと生活をともにすること」を意識して、デザインしております。加えて、人工知能KIBITを活用しつつ、オーナー一人ひとりにマッチした価値を提供していることが、大きな特徴です。
法人向けでは、「Kibiro」単体の他、人工知能KIBITを組み合わせることで可能となる、業務改善ソリューションを提供しています。他のコミュニケーションロボットとの違いは、ここにあります。
Q4:今後の展開について、教えてください。
今後も、人の心や生活に寄り添うための機能を軸とした強化を、行っていく予定です。「『Kibiro』が自然に日常の中に存在し、KIBIT を基盤とした価値を提供し続ける」という世界をコンセプトに、事業を進めていきます。
「Kibiro」のブレーンとなる人工知能KIBITは、データ解析企業として活躍してきた親会社の知識をベースに開発されたもの。人間の4000倍のスピードで本を読み、精度の高い情報を提供する。それがこのかわいいロボットの中で、どのように生かされていくのか。今後の展開から、目が離せない。(取材・文 乾 雅美)
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