国内のクラフトビールメーカーにとっては、大手ビールとの価格差が縮まったことでむしろ勝機が出てきたという見方もある。だがいずれにせよ、我が国日本は個人が自由にビールを製造することができない国である。
一方、アメリカは個人経営レベルのクラフトビール産業が非常に盛んだ。隣近所の酒屋はビール醸造所も兼ねている、ということも珍しくない。アメリカでは、「その土地だけの銘柄」というものが無数にある。
その背景を前提にした製品が、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」に出展されている。
・繊細なクラフトビールを保管
「BrewQube」は、スマートフォンと常時接続するIoTビールディスペンサーである。
この製品の288オンス(約8.1リットル)容量のタンクは、バーや醸造所で通常使われているタイプのサーバーコックと極めて親和性が高い。そこから簡単にビールを補充することができるという。製品本体への投入もじつに容易。
要するにこのBrewQubeは、デリケートなクラフトビールを長く保存するための製品というわけだ。クラフトビールは大手銘柄商品とは違い、酵母無濾過及び非加熱処理のものが一般的である。するとその味わいはきめ細やかなものになるが、一方で品質管理を難しくしてしまう。
BrewQubeは、その困難を最先端テクノロジーで解決してくれる。タンク内の温度やガス圧などを計測し、そのデータを所有者のスマホに表示する。異常が発生すれば、即座に警告を発してくれるという仕組みだ。
・日本への配送も対応
BrewQubeのタンクのみを持ち出し、アウトドアで活用するという方法もKickstarterのページで紹介されている。
価格は949ドル(約10万5000円)だが、現在Kickstarterで575ドル(約6万4000円)からの投資を受け付けている。日本への配送も、150ドル(約1万7000円)の手数料上乗せで対応する。
ただ、これはあくまでもアメリカ国内の状況を前提にした製品と言えるだろう。個人醸造に厳しい日本の酒税法の管理下でこの製品が活用できるか否かは、定かではない。
Kickstarter