このジャンルで大きな成果を上げてきたのが、2006年設立(創業2003年)のクロスリングだ。これまでフィーリングに頼らざるを得なかったインフルエンサーキャスティング・キャンペーンを、データベースで実現させた画期的なプラットフォーム「SPRAY(スプレイ)」を開発。インフルエンサーマーケティングを、高精度な広告手法の座に定着させた、立役者でもある。
そんな同社が新たに放つのが、SNS広告配信サービス「SPRAY Ads(スプレイ アド)」。ユーザーの興味関心やデモグラ情報を解析することで、より精度の高いターゲティングを実現するという。一体、どんなサービスなのか。代表取締役の村上 慶充(むらかみ よしみつ)氏に、詳しい話を聞いた。
・“いいね!”ユーザーの興味関心データを元に効率よく広告を配信
Q1:まずは初めての人のために、サービス内容について具体的にお聞かせください。
「SPRAY Ads」は、インスタグラムに投稿された写真に“いいね!”を押したユーザーと、画像データを解析します。そこから、興味関心やデモグラフィックデータを、SNS広告のターゲティングに活用することで配信精度を上げ、広告の無駄打ちを減らせるサービスです。
また、インフルエンサーを活用した投稿キャンペーンと併用することで、インフルエンサーの投稿に関心が高まっているユーザーと類似するターゲット層へ、効率よく広告を配信できるようになります。
Q2:「SPRAY Ads」を導入することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
よくあるインフルエンサーマーケティングでは、インスタグラマー等を起用して、商品やサービスの認知拡大や興味喚起といったマーケティングファネルの上位レイヤーにて訴求することを得意としますが、(中略)現段階では、投稿画像に外部リンクが貼れないなどのウィークポイントもあります。(中略)
しかし、「SPRAY Ads」なら、“いいね!”ユーザーのデモグラフィックデータや興味関心データを活用しながら、SNS広告を展開することができます。購入レイヤーにおける獲得型の広告配信への活用も可能です。
・SNSの写真や画像解析によってターゲティング
Q3:インフルエンサーマーケティング会社として、長く活躍されてきた御社ですが、その経験は今回のサービスにおいて、どのような形で生かされているのでしょうか。
インフルエンサーマーケティングにおいて13年以上、約1万件のインフルエンサー施策の実績を持つ弊社の経験から見えてきたのは、インフルエンサーマーケティングが未だに、感覚に頼って行われているということです。(中略)
そこで私たちはまず、「インフルエンサーマーケティングをデータドリブンに」をテーマに、次世代インフルエンサーマーケティングプラットフォームの「SPRAY(スプレイ)」を開発致しました。「SPRAY」では、インフルエンサーの影響力の可視化のみならず、画像解析によって、その先に存在するエンゲージメントユーザーに関するビッグデータの蓄積や分析を行います。
こうした希少なデータを、「SPRAY Ads」のような広告ターゲティングに、活用しているのです。(中略)フォロワー数重視のようなざっくりとした指標ではなく、興味関心カテゴリーごとのエンゲージメントに主軸をおいた評価基準の策定など、新しい取り組みも行っています。
Q4:多くのサービスが登場し、SNS広告は今過渡期を迎えています。その中で「SPRAY Ads」は、どのような方向性をめざしていくのでしょうか。
これまで、特定のユーザーをターゲティングする際には、検索履歴を利用することが多かったと思いますが、私たちはインスタグラム等のSNSに投稿された写真や、画像解析によってターゲティングを行う広告で、成果を上げていきたいと思っております。
こうした画像解析ベースのターゲティング広告は、弊社が最も得意とするインフルエンサーマーケティングとも相性がよいので、これらを組み合わせて、さらなる価値を提供できるサービスを、展開していくつもりです。
(取材・文 乾 雅美)
SPRAY Ads