「スマホケース」は、現代において最も成功した周辺産業と言えるだろう。
この製品には、人類の英知が詰まっている。様々な工夫に基づいた機能がスマホケースに搭載され、主であるスマホ自体の性能を大幅に向上させた。
数百年後、このスマホケースの進化は「21世紀商業史の注目すべき現象」として絶好の教材になるかもしれない。
・20万種の家電製品に対応
さて、クラウドファンディング「Indiegogo」に「Pi Case」というものが出てきた。
これは生活家電のリモコンになるiPhone専用ケースである。
Pi Caseには3種類の操作機構が備わっている。専用アプリ、ボイスコントロール、そして背面にあるクイックボタン。セットアップの方法は、これから連動させる生活家電のリモコンを写真に撮るだけ。そこから該当するリモコンの情報を自動検出してくれるのだ。
面倒なボタン設定など必要ない。リモコンのスキャニング機能、というべきか。対応ブランドは日立、シャープ、ダイキン、東芝などの日系勢の他に、フィリップスやベンキューといった企業も名を連ねている。
20万種を越える家電製品のリモートコントロールに対応している、とのことだ。
また、背面のクイックボタンは3プッシュまでの個別動作ができるという。たとえば1プッシュでテレビ電源、2プッシュでエアコン、3プッシュで照明というように。そのあたりの振り分けも、当然自由に設定できる。
・鴻海で製造
Pi Caseはもちろんながらバッテリー内蔵機器で、キャパシティーは2,400mAh。イヤホンジャックも備えられている。
この製品、製造者は台湾の鴻海精密工業である。クラウドファンディング発の製品には得体の知れない工場で生産されたというものも時折現れるが、Pi Caseに関してはその心配はいらない。iPhoneと同質の精度で組み立てられている。
Indiegogoでは、1台59ドル(約6,600円)からの資金調達キャンペーンが行われている。また、マグネット式カーマウントが別枠で提供されている。こちらの値段は10ドル(約1,100円)。
スマホケースは、まだまだ進化の余地がありそうだ。
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