日本ではまだまだ知名度の低いこの制度を、浸透させるために生まれたのが、今回ご紹介する「Unipos(ユニポス)」だ。ピアボーナスを、目に見える形で利用できるようにした本サービス。社員のモチベーション維持はもちろん、組織強化にも大きく貢献すると、各方面で話題を集めている。
提供元は、Fringe81。これまでに数多くの先進的なシステムを生み出してきた同社が考える、ピアボーナスの概念とは?Unipos 広報担当者に、詳しい話を聞いた。
・仕事の成果を感謝の言葉とともにリアルタイムで評価
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
弊社では4年前から、“発見大賞”という表彰制度を取り入れています。月に一度、全員で誰かの素敵な貢献を発見・共有するというものです。一番多く投票された人が、その月の発見大賞を受賞します。発見された人のみならず、発見した人も褒められる制度です。(中略)
発見大賞では、縁の下の力持ちとなっている管理部門やカスタマーサポート、エンジニアにも、スポットライトが当たります。(中略)しかし、月に一度だと直近のことしか思い出せないため、リアルタイムに発見しあえるよう、システム化したのです。さらには、少額の報酬(ポイント)をあげる権利も社員に委譲し、ポイントを貯めた人へAmazonギフト券などを手渡しするようになりました。これが「Unipos」の原型です。
Q2:「Unipos」とは、どんなサービスなのでしょうか。仕組みや特長など、詳細について改めて教えてください。
「Unipos」は、仕事の成果があったときに、従業員同士が少額の成果給を、称賛や感謝の言葉とともに、リアルタイムで送るサービスです。その内容はすべて、“タイムライン”に公開されるので、誰でも閲覧が可能です。
誰かが称賛している内容に共感した場合は、拍手機能を使って、その称賛に相乗りすることができます。仕事の成果をきちんと見てくれている同僚やマネージャーが、リアルタイムで評価するので、従業員の納得感やモチベーションも上がります。
・小さな努力を認めることで大きな成果が得られる
Q3:本サービスは、企業・従業員それぞれに、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。
従業員側は、小さな努力や成果がその都度認められることに、満足と納得感を得ます。マネージャー層は、日頃の成果をリアルタイムに評価できますし、チームメンバー同士が賞賛し合うことで、それぞれがどのような成果を出しているのかを、把握できるようになります。
経営陣は、今まで見えなかった努力や成果、マネージャーたちのフィードバックの様子が見えるようになります。全社の様子が可視化されるので、マネージャーの指導のきっかけにもなります。
Q4:正式リリース後の展開について、教えてください。
まずは、導入企業を増やしていくことが最大の目標です。100社程度に導入するまでは、開発、サポート、営業ともに投資フェーズと考えています。
機能面では、「Unipos」を日頃使っているツールから簡単に利用できるようにする予定です。現バージョンでSlackとの連携を実装しているのですが、今後はさらなる連携強化を検討中です。また、「Unipos」のAPIを公開していくことも視野に入れながら、他のツールからも使用可能な環境を整えたい、と思っています。
「Unipos」の料金は、利用者数50名以下で月額一律2万5000円。すでに数社の企業が導入を開始している。急激に変化するビジネス環境下で、いかにして組織のバランスを保つか。その答えの1つが、このサービスの中にある。(取材・文 乾 雅美)
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