人類史上最大と言われる国際宇宙ステーション(ISS)内“きぼう”日本実験棟に、初期検証を兼ねて先月4日に打ち上げられた。その映像を、JAXAがYouTubeで初公開。各方面で、大きな話題を呼んでいる。
・遠隔操作で自律的に空間飛行
「Int-Ball」は好きなときに好きな場所に移動し、自由な角度から撮影を行う自立飛行可能なカメラ。これまで、宇宙飛行士の作業時間の約10%程度を占めていた撮影作業を、なくすために開発された。
操作は、筑波宇宙センター(TKSC)が遠隔で実行。自律的に空間を飛び回りながら、静止画と動画で必要な映像を撮っていく。撮影した映像は、リアルタイムで地上の管制官や研究者が確認。その後、宇宙飛行士にフィードバックされる。筐体と内部構造は、すべて3Dプリントで製作。機能には、既存のドローン技術をそのまま採用している。
・現場の一戦力をめざし、検証を継続
筐体は直径150mm以下、重量は1kg以下と小型かつ軽量。メインモニターカメラの他、超音波距離センサーや推進用ファン、エラー時の点灯LEDなどを実装。撮影時に対象物を追尾するホイールもあり、画像を安定させる役割も果たす。
現在は飛行実験の段階だが、ここから徐々にステップを上げていくという。フェーズ2は、自立制御。自律飛行できるノーメンテナンスのドローンを製作し、宇宙飛行士の撮影作業時間ゼロをめざす。最終段階は、運用性の拡張。宇宙飛行士に代わり、保管物品の管理や緊急時の事故現場の調査を行ったり、船外活動代替のための予備検証作業等に必要な機能を、拡張する予定だ。
Int-Ball/JAXA