・世界初、“ロープのない”エレベーター
ここに来てついに登場したのが、ドイツのthyssenkruppが手がける新技術“ロープのない”世界初のエレベーター「MULTI」。
ロープの代わりに“リニアモーター”を用い、同社独自の“TWIN elevators”というシステムと組み合わせることで、なんと上下の垂直移動だけでなく水平移動までできるエレベーターだという。一方がシャフトを上昇するとき、もう一方が下降することで、安全にキャビンが移動できる。
・スピードアップのおかげで、待ち時間が減少
スムーズな移動が実現することで、飛躍的なスピードアップが見込めるようになった。乗客にとって、普通のエレベーターと目に見える違いといえば、15~30秒に1度エレベーターのドアが開くこと。おかげで待ち時間が圧倒的に少なくなる。
従来のエレベーターに比べ、最大で50%も重さが減少し、大きさもコンパクト化。収容人数もアップした。結果、エネルギー効率や運転効率も向上することになり、まさにメリットだらけ。
・エレベーターの待ち時間は16.6年?!
世界では、毎日1200万のエレベーターが70億回も運転を実施し、10億人が移動をおこなっているという。コロンビア大学の研究によると、ニューヨークのオフィスで働く人々は、累積16.6年をエレベーターの待ち時間に費やしているという。
これからも都市部の高層ビル化は進むだろうし、迅速な移動を可能にする高速エレベーターは、ますます需要が大きくなりそうだ。
「MULTI」は、ベルリンにある“OVG Real Estate”の“new East Side Tower”で初めて導入される見込み。
MULTI