人の体温を熱源にする熱電発電はとても利便性が高いのだが、どうしても形状がゴツくなったり、硬さがあるため、ウェアラブルとして肌や身体への適合性、装着感がよくないものが多かった。
・液体金属を用いた新素材
そこで、Mehmet Ozturk氏を中心とするノースカロライナ州立大学のチームが開発しているのが、液体金属で構成される、よりフレキシブルで効率性があり、自己修復機能まで保有する新素材である。
・電気抵抗が非常に低い
チームではとにかくフレキシブル性のある熱電デバイスの開発を追求。結局見出したのが無毒、安全性の高い“ガリウム”と“インジウム”を合成した素材。この合金は“EGaln”と呼ばれ、非常に低い電気抵抗なのが大きな特徴。電気抵抗が低ければ低いほど、反比例して発電効果が向上するため、まさにうってつけの金属なのだ。
・自己修復機能も
また、この液体金属には自己修復機能があり、もしつながりが途切れてしまったとしても、自動的に再接続する働きがあり、デバイスを再びうまく働くようにしてくれるというからスゴイ。固体物質では自己修復は難しい。
チームではこの技術を特許申請しており、今後は発電効率を阻害する箇所の検出にあたり、効率アップを図っていくとのこと。
自己発電&自己修復機能をもち、かつ安全性が高く、フレキシブル性もあるこの新素材は、ウェアラブルデバイスの未来を拓いてくれるかもしれない。
North Carolina State University