そのSkypeの音声翻訳は機械音声を活用しているが、米サンフランシスコ拠点のスタートアップが開発中なのは、話者本人の声で翻訳する技術「BabelOn」。
機械音声に比べ、本人の声で外国語を“話す”ので違和感がなく、開発元は「プレゼンテーションや、映画の吹き替えなどに活用できる」としている。
・サンプルから特徴を分析
この魔法のようなリアルタイム翻訳の核となるのは、話者の声に似た音声を合成する技術だ。使用する際は、まず専用のハードウェアからレーダーを出して話者の声をとらえる。
それをもとに声の特徴などを分析したプロファイル情報をつくり、本人の声に近い音声で話した内容をアウトプットするという仕組み。なので、話者がいかにも外国語を操っているかのように聞こえるのだという。
・ゲームキャラクターが自分の声に?
どういう活用法があるかというと、まず挙げられるのがSkypeなどの通話アプリ。言語が異なる人との会話もスムーズかつ自然になる。また、国際的な場でのプレゼンテーションも、通訳スタッフを介さずに“自分の声”でアピールできる。
そのほか、開発元は映画やゲームでの活用も想定している。例えば、映画の吹き替えを俳優本人の声にしたり、ビデオゲームのキャラクターの声をユーザーのものにして楽しんだり。
ただし、音声の悪用リスクも懸念されることから、 開発元は「プロファイル情報の保管については高度なセキュリティを確保する」としている。
・日本語にも対応予定
BabelOnは日本語にも対応する見込みで、そのほかは英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語、中国語(マンダリン)、ヒンディー語を予定している。
この技術の実用化について、開発元は現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資を募集中だ。出資をしてもBabelOnの技術を個人が利用できるわけではないので調達状況は芳しくないが、用途が広い技術だけに実用化を期待したいところだ。
BabelOn/Indiegogo
https://youtu.be/sGdZsvLNuko