「Hale Orb」は、家族で写真や動画を共有するためのIoTデバイスだ。離れた場所にいる家族がそれぞれのSNSを接続したり、メールに写真を添付するだけで、家族専用のプライベートアルバムを作成できる。操作は、ワンタッチのみ。複雑な設定もなく、誰でも簡単に扱える点も魅力だ。
開発を手がけたのは、DouZen, inc.。2011年に設立し、現在はサンフランシスコを拠点に事業を展開。ユーザーインタフェースを基軸に、独自のサービスを創出し続けている。本品によって、ますます飛躍が期待される同社。Co-founder 兼 CEOの三浦 謙太郎 (みうら けんたろう)氏に、早速詳しい話を聞いた。
・家族全員で思い出を共有できる場所
Q1:まずは、このような製品を開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。
自分自身の個人的な経験から、家族との写真・動画共有(人生共有)が簡単ではないことに気が付きました。もちろん、さまざまな方法はあるのですが、家族全員が楽しく加われる場を作りたい、と考えたのです。ある程度はテクノロジー(PC、スマホ、タブレット)を使っていても、(それぞれ)慣れているものが微妙に違います。メールへの写真添付なども、体験的に楽しくないと思いました。
そこから、ワンタッチでいつでも家族と記憶を共有できる、さらに新しいものを常に追加できる、そんな世界を私たちだけができるやり方で作ろう、と決めました。根底には、自分が好きな家族(日米で離れ離れの5人家族)を、幸せにしたいという思いがあります
Q2:クラウドファンディングでは、わずか40時間で資金を達成。ここまでの反響を得た理由は、どこにあるのでしょうか。
まず、パッと目を引くデザインが挙げられます。インテリア性を重視し、テクノロジー的要素を極力排除しました。「家族全員がリテラシーに関わらず使えるサービス」という世界観に、共感してくれた方も多くいます。
加えて、弊社の強みでもある、流れるように大量のコンテンツを閲覧できるユーザーインターフェイスがあります。その動画に、興味を持っていただけたのだと思います。
・触り心地と操作性感覚にひと苦労
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
「Hale Orb」の触り心地と操作性の感覚です。そこを思い通りにするのは大変ですし、最後まで調整していく予定です。また、コンセプト段階では動く物もなく、「なぜこれが必要か?」というのが、非常に伝わりにくい製品だったため、人を説得するのに苦労しました。
Q4:クラウドファンディング終了後の展開について、教えてください。
まずは、製品の品質を最後まできちんと上げていくことです。そして、「Hale Orb」の良さを市場へ効果的に伝えられるよう、マーケティングに注力しつつ、世界中でオンライン・オフラインを含む販売網を、築いていく予定です。
また、声での検索など、まだまだソフトウェアで追加していく部分もあるので、そこの研究開発も続けていくつもりです。
「Hale Orb」は、現在もIndiegogoでオーダー受け付け中。価格は、139ドル(約1万5000円)から。期間は、6月30日まで。まずは、この夏の思い出作りから始めてみてはいかがだろうか。(取材・文 乾 雅美)
Hale Orb