欧州委員会の統計担当部局「ユーロスタット」によると、欧州におけるインターネットの世帯普及率は2016年時点で86%に達し、2007年の55%から大幅に上昇した。
そんななか、EU(欧州連合)では、欧州議会と欧州理事会、欧州委員会による三者合意のもと、公共スペースでのWiFiスポットの普及を推進するイニシアチブ「WiFi4EU」が本格的に始動している。
・EU域内8,000市町村での無料WiFiスポット設置を助成
「WiFi4EU」では、2017年から2019年までに1億2,000万ユーロ(約149億円)を投じ、公園や広場、図書館、病院、美術館、公共施設など、EU加盟国内の市町村の公共スペースに無料WiFiスポットを設置するための資金をサポート。
WiFiルーターの購入や設置に要する資金を「WiFi4EU」が付与し、その運用コストは地方自治体がまかなう仕組みとなっている。
「WiFi4EU」は、とりわけインターネットへの接続が限られている地域に、地元住民や観光客らが無料で利用できるWiFiスポットを整備することを目指しており、2020年までに最大8,000の市町村に助成を行う方針だ。
・“いつでもどこでも”インターネットに接続できる環境づくり
米ニューヨーク市が展開する無料Wi-Fiサービス「LinkNYC」や英電気通信事業者のブリティッシュ・テレコムらがロンドンで手がける「InLinkUK」など、世界の大都市では、独自のWiFiサービスが開設されつつある。
「WiFi4EU」は、中小規模の地方自治体にも無料のWiFiサービスを普及させ、“誰もが、いつでも、どこでも”インターネットに接続できる環境を整えようとしている点が秀逸だ。
WiFi4EU