その名器のレプリカを3Dプリンターでつくり、実際に演奏する動画がこのほど公開された。少なくとも素人の耳には“3Dプリンター製”を感じさせない自然な音色だ。
・木材フィラメントを使用
モデルとなったのは、1677年に製作されたストラディバリウス「サンライズ」。本物をスキャンし、その情報を元に40以上ものパーツ全てを3Dプリンターで作った。
フィラメントに使われたのは木材。3Dプリントされたパーツは古典的なリュート製作法で組み立てられ、最終的にニスを塗って完成させた。製作には2年を要したという。
・テクノロジーと手作業を合体
製作を手がけた音楽テクノロジー研究者、Harris Matzaridis氏によると、レプリカの音の響きは上々で、「本物にかなり近い」と胸をはる。現在も、音の改善を図っているという。
このレプリカ製作の目的は、「現代のテクノロジーを駆使してパーツを製作し、それを手作業で組み立てるという、これまでにないアプローチを提案する」とのこと。
ストラディバリウスは数が限られていることから、楽器としてだけでなく骨董品としても価値があり、価格は数億円ともされる。
簡単に入手できないのが実情だけに、音に遜色がなければ「レプリカで十分」というバイオリニストが出てくるのかもしれない。
https://youtu.be/4AIKuOP9K5c