とりわけ、サハラ砂漠より南のアフリカ地域では電力普及率が依然として低く、約10億人の人々が、電力が供給される送電線とつながっていない、すなわち“オフグリッド”の状態だ。
経済・金融情報を配信する米ブルームバーグでは、オフグリッドな地域に向けた電力供給手段、いわゆるオフグリッドソリューションの市場規模が、2020年までに31億ドル(約3,503億円)に達すると予測している。
・電力供給キャパを自由に拡張できる自律型電力グリッド
「Power-Blox(パワー・ブロックス)」は、スイスで開発された自律型電力グリッドソリューションだ。
太陽光パネルや風力発電機といった発電システムと接続することで、交流電力200ワットを供給。
冷蔵庫1台と2〜3個の照明、デジタル端末1台分の充電に必要な電力をまかなうことができる。
また、「Power-Blox」は、生物の“群れ”のコンセプトから着想した独自の技術「Swarm Grid」により、各ユニットがそれぞれ独立し、グリッド全体の状況に順応しながら、電流変動を自律的に制御する仕組み。
複数のユニットを組み合わせることで電力供給量のキャパシティを自由に拡張できるのが利点だ。
・非常用電源としても需要あり!?
「Power-Blox」の定価は、鉛バッテリー版が1,795スイスフラン(約20万3,000円)で、リチウムイオンバッテリー版が2,750スイスフラン(約31万円)。
オフグリッドな地域コミュニティや学校、病院、農場などのほか、屋外イベントのための電源、災害時の非常用電源としても、幅広く需要が見込まれている。
Power-Blox