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Start Up 【Interview】東大開発の技術を応用した農業用センサーシステム「SenSprout Pro」を探る

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【Interview】東大開発の技術を応用した農業用センサーシステム「SenSprout Pro」を探る

農業の衰退は、日本のみならず世界各国共通の深刻な社会問題だ。国内で特に懸念されているのは、農業従事者の減少。高齢化や後継者不足により、働き手は年々減っていくばかりだという。 そこで注目されているのがIoT。水やりのタイミ...

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sensprout_1農業の衰退は、日本のみならず世界各国共通の深刻な社会問題だ。国内で特に懸念されているのは、農業従事者の減少。高齢化や後継者不足により、働き手は年々減っていくばかりだという。

そこで注目されているのがIoT。水やりのタイミングや栽培時期をデータ化し、1つのソリューションとして農業に適用する動きが、ここ1、2年で急速に増えつつある。

今回ご紹介する「SenSprout Pro」も、その1つ。東京大学発の技術を応用したセンサーシステムとして、農業法人や研究機関向けに発売を開始したばかり。はたして、どんなシステムなのだろうか。

開発元は、2015年設立のSenSprout。エンジニアの宮元 直也(みやもと なおや)氏に、詳しい話を聞いた。

・個々の農園の状態を遠隔で監視分析


Q1:まずは、このようなシステムを開発するに至ったきっかけと経緯から、お聞かせください。
sensprout_2SenSproutは東京大学工学部発の工業技術を、農業分野へ応用した製品を開発しているスタートアップです。東京大学工学部の川原研究室では、センシングや無線通信、エナジーハーベスティング技術の研究の応用を模索しています。

その中で、私たちが着目したのは、食料生産の問題です。これまで勘や経験に頼ってきた水の管理の最適化が、今後長く食料生産を続けていく上で、世界規模で不可欠になると考え、「SenSproutPro」のシステムの開発に着手しました。

Q2:「SenSprout Pro」とは、どんなシステムなのでしょうか。詳細について、改めて教えてください。
sensprout_3「SenSprout Pro」は、個々の農園の状態を遠隔監視、分析するための農業用センサーシステムです。土壌センサーで計測したデータはすべて、インターネット上にアップするので、生産者のパソコンの画面から、農園の状態を確認することができます。

一番の特長は、プリンテッドエレクトロニクス技術を応用していることです。この技術によって、最も消耗が激しく壊れやすいセンサー部分を低コストで製造し、交換することができました。

・収穫量の落差を改善


Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
sensprout_4農業用センサーシステムの実証実験で協力いただいている農家から何が求められているのか、その要件を洗い出すことです。

現在、SenSproutでは、国外はインドやアメリカ、国内で北は北海道から南は熊本まで、全20か所以上の農場で実証実験を実施していますが、フィールドにセンサーを設置するにあたって、多くの注意点があります。例えば北海道ではマイナス15度、インドでは50度まで気温が変化するため、温度変化を意識した開発が必要でした。その他、センサーの盗難や、野生動物への対策なども意識した開発を行っています。

Q4:「SenSprout Pro」を導入することで、日本の農業はどのように 変わるのでしょうか。未来の展望をお聞かせください。
sensprout_5品質や収量の向上につながり、売上のアップが期待できます。実際、実験先の農園では、水分量によって、15パーセントほど収穫量に差があったものを、ほとんど差がないように、調整することができました。

また、見回りの時間が削減されるため人件費が下がったり、今後リリース予定のEC計測機能を使うことで、肥料費の削減なども期待できます。従って、すべてにおいて、生産者の利益アップにつながると思われます。

本システムの長所は、長年培われてきた農家のノウハウをデータ化したことにある。継承者が人ではなく、コンピューターであるのは少し残念だが、1軒でも多くの生産農家を守れるなら、どんどん活用すべきだろう。システムの普及に、期待したい。(取材・文 乾 雅美)

SenSprout Pro
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