このように大気汚染が地球規模で取り組むべき深刻な課題となるなか、コケ植物の大気浄化作用とIoT(モノのインターネット)、ソーラー発電を融合させた大気浄化ソリューション「CityTree(シティー・ツリー)」が注目を集めている。
・コケの壁で樹木275本分の大気浄化作用を発揮
「CityTree」は、独ベルリンのスタートアップ企業「Green City Solutions(グリーン・シティ・ソリューションズ)」によって開発された、高さ4メートル、幅3メートルの“コケの壁”だ。
装着されているセンサーが大気の状態を常時モニタリングし、大気データを収集しながら、コケの水やりなどを自動制御する仕組み。
また、このソリューションを稼働させるための電力はソーラーパネルで発電され、コケの生育に必要な水は雨水をタンクに貯めてまかなうというサステナブルな仕様も特徴だ。
「CityTree」のコケが窒素酸化物やオゾンなどの大気汚染物質を吸収する効果は、実に、樹木275本分に相当する。
・欧州や香港で導入がすすむ
「CityTree」は、ベルリン、ドレスデンなどのドイツの都市部のほか、ノルウェー、フランス、マケドニアで設置がすすめられており、2016年6月には、アジアで初めて、香港にも導入された。
省スペースで設置でき、IoTの活用によってメンテナンスの手間もかからないことから、大気汚染の課題を抱える世界各地で需要が見込まれている。
Green City Solutions