そのような中、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)は、2017年5月、ヒトの歩行速度や歩幅をワイヤレスで計測できる「WiGait」を開発した。
・歩行速度と歩幅をワイヤレスで正しく計測
小さい額絵くらいのサイズの「WiGait(ワイゲイト)」は、屋内の壁に設置され、標準的な携帯電話の100分の1程度のワイヤレス信号によって、ヒトの歩行速度を95%から99%の精度で、歩幅を85%から99%の精度で、それぞれ計測できるのが特徴だ。
とりわけ、高齢者にとって、歩行速度の変化は、ケガをしている可能性や転倒するリスクが高まっていることを示すものであり、健康管理において重要なデータのひとつ。
また、歩幅の計測は、パーキンソン病などの診断に役立つといわれている。
・転倒事故の防止や病気の早期発見に役立つ
「WiGait」は、ウェアラブル端末のように計測機器を身につける必要がなく、監視カメラのようにプライバシーを侵害するおそれが少ないため、計測において、ユーザーの心理的ストレスを軽減できるのも利点。
「WiGait」の活用によって、転倒事故の防止や、うっ血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患など、歩行速度の変化と関連する病気の早期発見につながりそうだ。
WiGait