これは、Microsoft Azure IoT Hubサービスと接続できるデバイスであることを、マイクロソフト社自体が認証するプログラム。接続試験に合格し、認証を得たデバイスは、IoTプロジェクトの開発をスムーズに進められるようになる。同時に、ビジネスの可能性も広げることができるのだ。
テッカブル掲載時は、まだプロトタイプだった本品。あれから、どんな成長を遂げているのだろうか。今回の認定の件も含め、MJIディレクターの千葉 さやか(ちば さやか)氏に、話を聞いた。
・レストランやホテルでも大活躍
Q1:「Microsoft Azure Certified for IoT デバイス」の認定、おめでとうございます。認定取得の感想をお聞かせください。
「Tapia」はMicrosoftのイベントにて、顔認証スタンプラリーとして導入され、Azrue連携の実績があります。このたびコミュニケーションロボットで世界初となるIoTデバイスの認定を取得したことは、誠に光栄です。
今後は国内外の開発者の皆さまを中心に、ご家庭はもちろん、ホテルや観光地など、さまざまなフィールドで、Azureと連携した「Tapia」をご活用いただきたいと思います。同時に、新しいサービスの展開にも期待しています。
Q2:テッカブルでも過去に「Tapia」を取り上げ、大きな反響を得ました。当時はまだプロトタイプの段階でしたので、あれからどのように進化したのか、教えていただけますでしょうか。
「Tapia」は、家庭向けコミュニケーションロボットとして誕生しました。キャラクター性があり、小型で優れたデザインでありながら、高スペックのハード・タッチパネルモニター、マイクなどの機能も完備しているのがポイントです。
企業受付や病院、店舗など、ビジネスシーンで活用したいというご要望も、多数いただいています。現在は、レストランやホテルといったサービスの場にも、活躍の場を広げています。
・海外展開に向けて着々と準備中
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どのようなところでしょうか。
コミュニケーションロボットと言っても、コミュニケーションの形は十人十色であり、家庭、各ビジネスシーンにおいても異なります。
従って、ロボット「Tapia」を多くの方のパートナーにするために、企画開発段階/市場導入/要望・未来の展開の3つのステージにおいて会話・UI・UXのあり方を、常に検証し改善してきました。ここが最も苦労した点であり、この先も最も重要なポイントになる、と考えています。
Q4:市場の導入状況や機能の追加など、現況と今後の展開について、教えてください。
家庭向けとしては、ショッピング機能の追加を、2017年中に行うつもりです。また現在は、法人向け需要が急増しているため、開発者向けキット(SDK)のリリースを予定しております。(キットのリリースは)「Tapia」の機能、アプリ拡充へとつながるため、拡販が期待できます。
英語版、中国語版も開発中で、すでに台湾での発売が決定しています。海外展開に向けて、着々と準備を進めているところです。
ハウステンボスやエスキュービズムなど、名だたる企業の場でも活躍している「Tapia」。そのキュートな姿を目にする機会は、今後ますます増えていくに違いない。(取材・文 乾 雅美)
コミュニケーションロボット Tapia