エアバスを巻き込み進行中の欧州宇宙機構(ESA)の「Aeolus」開発プロジェクトは、2017年1月現在、ついに佳境を迎えた。
Aeolusとは、地球へのより一層の理解を促すことを使命に誕生した風衛星だ。
・常識を覆す技術を採用
Aeolusは宇宙の風を測定するという斬新な方法を採用した衛星だ。
雲の動きを追跡するほか、温度から海面の凹凸具合をみたり、風の存在を予測したりすることが可能である。
さらに、大気の断面図を通して、エアロゾルや雲などの動的な情報が迅速に得られるようになる。その点、静止気象衛星「ひまわり」とは異なり、気象予報技術の精度向上の面で大いに期待されている。
・エアバスの防衛部門も関与
昨年8月には、英国のスティブネイジに拠点を置くエアバスの防衛部門もプロジェクトメンバーとして参与。プロジェクトはとうとう最終段階へと突入した。
2体のレーザー、望遠鏡および高感度受信機を備えたアラディンを衛星に搭載後、問題なく動作することがすでに確認されている。
今後の予定としては、ベルギーでのさらなる検査を経て、今年末、フランスの欧州宇宙基地にて、打ち上げに向けた準備が着々と進められる。
ESA (European Space Agency)