2017年3月には、スイス国内で24時間、ドローン飛行することにつき、スイス連邦民間航空局(FOCA)から認可を取得。
スイス南部ティチーノ州を拠点とするEOC病院グループを加えた三者による共同プロジェクトを創設し、ドローンを活用した医療物資の輸送サービスの事業化を本気で着手している。
・血液サンプルをドローンで輸送
この共同プロジェクトでは、ティチーノ州ルガーノ市にあるEOC病院グループ傘下の医療機関を対象に、「Matternet」の運搬用ドローン「Matternet M2」で血液サンプルなどを輸送するサービスを構築中だ。
直径80センチ、重さ20キロの小型で軽量な「Matternet M2」は、平均時速36キロメートルの速度で、最大2キロの運搬物を最長20キロメートル圏内に輸送できる。
2017年3月中旬以降、対象となる医療機関のうちの2カ所で、すでに70回にわたるテスト飛行が実施されており、2018年までには、定期運用を開始できる見込みだ。
・ドローンによる医療物資の輸送の広がり
米カリフォルニア州の「Zipline」が、ルワンダ西部の医療施設を対象に、ドローンを活用した輸血用血液の輸送サービスを2016年7月から開始するなど、陸路輸送が不便な僻地を中心に、ドローンによる医療物資の運搬が少しづつ広がりはじめている。
「スイス・ポスト」らの取り組みは、先進国の比較的人口の多い地域でも、医療物資の輸送において運搬用ドローンの活用の余地があることを示す先進的な事例といえるだろう。
SWISS POST