とはいえ、片付けずにそのまま放置するマナーのない飼い主も多く、社会の問題ともなっている。
・オランダでは年間1億kgの犬のフンが放置
その事情はオランダでも同じようで、犬関連製品のメーカーTinkiによると、年間1億キログラムの犬のフンが放置されているという。
オランダでは150万匹の犬が飼われており、犬は1度に平均約100グラムのフンを、日に2、3回するという。もし、ちゃんとフンの始末がされなければ、塵も積もれば……でとんでもない量に達してしまうというわけだ。
・飛行ドローンと地上用ドローンを活用
そこで、Tinkiが国のドローンテストセンターSpace53とチームを組んで開発に着手したのが、“犬の放置フンを監視&処理するドローン”のプロジェクト。2種類のドローンを活用するというものだ。
1つめは、飛行ドローン“Watchdog 1”で、熱画像カメラセンサーを搭載している。犬のフンは温度が高いことに着目し、近隣の高温度オブジェクトを検知し、エリア一帯のヒートマップを作成する。
このデータはGPSと連動し、“Patroldog 1”という地上用ロボットに送信される。地上用ドローンは、データをもとにフンが検出されたポイントへと出発し、フンを回収する、という流れ。
・現在はプロトタイプの段階だが…
現在はプロトタイプの開発段階とのこと。とはいえ、まだまだ実装には問題が山積みだという。
まず、“Patroldog 1”は大量のフンを集積する容量がないため、より大容量に対応できるものが求められる。集めたフンのリサイクル方法を検討する必要もありそうだ。
また、現状オランダの法律では、自動無人ドローンは認められておらず、パイロットが必要になってしまう。
ドローンの操作はどうするのか、パトロール方法や時間帯はどうするのかといった社会的問題のほか、充電はどうやっておこなうのか、地上用ドローンは障害物をどのように回避して進行するのか、といった技術的な問題もある。
ただ、テクノロジーの進化は日進月歩。この先、技術面での解決は十分期待できる。法律面では時間がかかるかもしれないが、公園や道路などのパブリックスペースをキレイに清潔に保とうというこの試みは、一考の余地があるだろう。
Tinki