そのうちの一つが、これ。プロダクトデザイナー坪井浩尚氏のチームによる「Magic Calendar(マジックカレンダー)」。紙とスマートフォン、双方のメリットを兼ね備えた、カレンダータイプのデバイスだ。
・紙とスマホ、両方の良さを併せ持つカレンダー
「Magic Calendar」の原点は、「もし、紙とスマホ、両方の良さが合わさったカレンダーがあったら?」という発想だ。
紙のカレンダーは、予定を手で書き込まなければならないが、目を向ければ一瞬で予定がわかる。一方、スマホのカレンダーは予定の管理は簡単だが、確認のたびスマホを取り出し、ロック解除してアプリを立ち上げるという手間が。各々の課題を解決できないか。そんな思いから、開発が始まったそうだ。
仕組みはこうだ。専用の Android スマホアプリをインストールして、スマホと「Magic Calendar 」をペアリングすると、カレンダーの表面に、ユーザーの予定が反映される。例えば、外出先で気になるイベントのポスターを発見したとする。アプリを立ち上げ、開催日を登録すると、家の中にあるカレンダーの同じ日付に、その予定が映し出されるというわけだ。
・現在、プロトタイプ制作中
現在、プロトタイプ制作の真っ最中。開発にかかる費用は、グランプリ受賞の褒賞としてプロジェクトから支給される。今のバージョンは低反射ディスプレイを使用しているが、今後、高精細電子ペーパーが利用できるようになったら、さらに紙の質感を高めたプロダクトに近づけるようにしてくという。
将来的には、デジタル情報自体に、手触りや匂い、光の反射、物質的重さといった、繊細で豊かな身体的感覚を与え、デジタルとアナログが完全に一つに溶け合ったものにしていくつもりなのだとか。完成する日が楽しみだ。
Magic Calendar