従来こうした情報収集は、緻密なコミュニケーションによって行われてきた。しかし、今はデジタル時代。SNSや各種ITサービスの発展により、企業の情報発信の手法も劇的に変化。事業の内容も、刻一刻と姿を変えている状況で、人海戦術だけでは補えない部分が、確実に出てきている。
そんな折登場したのが、この「アラームボックス」だ。取引先の状況に何らかの変化が発生した際、アラームで通知するという21世紀型のリスク管理サービス。特別な機器はいらない。スマ-トフォンかパソコンがあれば、即導入できるという手軽さも魅力だ。
提供元であるアラームボックス、代表取締役CEO、武田 浩和(たけだ ひろかず)氏に、詳しい話を聞いた。
・中小企業のためのリーズナブルなリスク管理サービス
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
もともと弊社では、売掛保証サービスを行っていました。その中で「ネガティブな信用情報があれば、事前に教えてほしい」という声をよくいただいていました。その多くは、中小・ベンチャー企業です。
本来リスク管理は、財務体力のない中小企業やスタートアップ企業こそ行うべきですが、従来のサービスは高度な知識や高い利用料が必要な大企業向けで、中小企業にはハードルが高いものでした。そこで、そうした企業の方が利用できるような、シンプルでリーズナブルに使えるリスク管理サービスを提供しようと思い、開発に至りました。
Q2:「アラームボックス」とは、どんなサービスなのでしょうか。
「アラームボックス」は、中小・スタートアップ企業向けのリスク管理サービスです。企業が登録した取引先を当社がモニタリングし、信用状況の変化やリスクを解析・発見次第、アラームを鳴らしてお知らせします。
アラームは、ネット上のデータや他の取引先による評判、業界内の情報、与信会社の情報なども参照して、最終的には判定基準に基づき、信用リスクの判断を行った上で鳴らしています。アラームの設定は、1取引先まで無料で登録可能です。
・リスクからウェブの更新、展示会開催まであらゆる情報の変動をキャッチ
Q3:このサービスを導入することで、企業はどのようなメリットを得るのでしょうか。
「取引先管理」「仕入先管理」「営業支援」の3つを実現します。取引先にアラーム設定すると、変動情報をいち早くキャッチするため、早期に対策を打てます。売掛先では未回収リスクの軽減、買掛先では、安定供給を実現することができます。
また、このアラームは、ネガティブ情報だけではなく、ウェブサイトの更新情報なども通知するため、新商品情報や展示会、会社情報の変更などを、営業に生かしていくことも可能です。
Q4:今後の展開について、教えてください。
まずは、「アラームボックス」というサービスを、より多くの企業に知っていただくための活動を、しっかりと行っていきたいと思っています。そうすることで、当社のミッションでもある、「すべての商取引に関わる人が安心して事業に集中できる環境」を作ることにつながっていきます。
現在はさまざまな情報を収集し、アラームを鳴らす際の判定も、熟練の審査担当者が行っています。こうした判定は、機械学習が強みを持つところでもあるので、今後は機械学習によって、さらに精度をアップしていくつもりです。
一定期間、継続利用することで、効果を発揮するという本サービス。無料から月額3800円のビジネスプランまで、3つのコースを用意している。リスクや不安から解放されれば、より前向きに仕事に取り組めるのではないだろうか。(取材・文 乾 雅美)
アラームボックス