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超高速&高精度スマートカメラは本年末までに登場か?自動運転車やドローンの視界処理性能が変わる可能性も

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NTUSingapore自動運転車やドローンの登場で、ますます必要となってくるのが、周囲の環境を捉える精度の高いカメラ。だが、道路状況や天候次第では視界が妨げられ、その精度はガクッと低下してしまう。

・ナノ秒間隔でカメラデータをキャッチするカメラ


そこで、Nanyang Technological University SingaporeのChen Shoushun氏らのチームが研究を進めているのが、超高速のハイコントラストスマートカメラで、光の強度が異なるシーンにおいても、ナノ秒単位のインターバルで、動きやオブジェクトをリアルタイムで検知して記録するという。

自動運転技術では、高速処理性と正確性を併せもった高機能センサーが必要になるが、通常の光学カメラの場合、明るい光のもとでは盲目状態となったり、悪天候や暗い環境下では迅速な画像解析に不具合が生じたりすることがある。

カメラには、何百万というピクセルセンサーが用いられており、光を用いて画像を形成する。自動運転車などに使われる高速スピードの動画カメラは、秒間120フレームもの処理を行わなければならず、周囲の環境を“見て分析する”ためには膨大な動画データが発生する。そのため、画像解析にタイムラグが生じる可能性が出てしまう。

・新データフォーマットでファイル容量を小さく


NTUSingapore2チームが2009年から開発中の新カメラ「Celex」では、リアルタイムでナノ秒単位間隔で、ごく一部の瞬間やオブジェクトに区切って録画をおこない、新しいデータフォーマットで記録することで、ファイル容量をグッと小さくすることができる。

・光の強度が異なるオブジェクトも識別


内蔵のプロセッサ回路が、個々のピクセルセンサーによって異なる光の強度を分析する。

全体の膨大な画像データを解析しなくてよくなるほか、前景、背景のオブジェクトを即座に識別できるため、コンピューターはより周囲状況に適宜対応がしやすくなる。

・会社を設立、2017年度末までに商業化を目指す


チームではすでに「Hillhouse Tech」という会社を設立し、2017年度末までにカメラの商業化を実現したい運びだ。

このカメラのプロトタイプ版は、“2017 IS&T International Symposium on Electronic Imaging”というシンポジウムでお披露目されたという。ますます高まる自動運転ツールのニーズを受け、道路の安全性を確保するためにも、一刻も早い実装が待たれる。

Nanyang Technological University Singapore

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