そんな場面を想定して考案されたのが、荷物預かりのためのシェアリングサービス「monooQ(モノオク)」だ。“荷物を預けたい人”と“荷物を預かってくれる人”とをつなぐC to Cクロークサービスとして、3月3日にリリースされたばかり。押し入れやクローゼット、どこでもいい。個人の家にあるちょっとしたスペースを荷物置き場として利用する発想は、とてもユニークかつ斬新なものだ。
提供元は、2015年創業のLibtown。代表取締役の阿部 祐一(あべ ゆういち)氏が、取材に応じてくれた。
・個人間ならではの柔軟性が最大の強み
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
「トランクルームは値段が高く、空いていない」という理由で、家電の置き場所に困っている知人から、数日間荷物を預かったことがきっかけです。
Airbnbでホストをしていた際に出会った旅行者も、荷物の預け場所に困っていたことを思い出しました。(そうした背景から)荷物を預けたい人の需要に対し、荷物を預けられる場所は意外に少ないと考え、「monooQ」の開発をスタートさせた次第です。
Q2:シェアリングエコノミーサービスの普及によって、最近は店舗等を活用した荷物預かりサービスも多数登場しています。それらとの決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
決定的な違いは、個人が荷物を預かる点です。店舗等を活用した荷物預かりサービス、あるいは駅前のクロークサービスなどは、荷物の受け渡しに現地まで行く必要がありますが、「monooQ」では利用者がホスト(荷物を預かる個人)と事前にメッセージをやり取りし、駅前などわかりやすくアクセスが良い場所で、荷物の受け渡しができます。
利用者がホストと交渉すれば、預け場所とは異なる所で荷物を受け取ることも可能です。例えば、浅草駅で荷物を預け、ホストが所有する浅草駅周辺の空きスペースで保管、東京駅で荷物を受け取る、というように個人ならではの柔軟さで対応します。ただし、別途サービス料が発生するかは、ホストによって異なります。
・年内1000箇所の預かり場所をめざす
Q3:サービス構築に当たって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
使い方をいかにわかりやすく、ユーザーに伝えるかというところです。荷物を預ける側と預かる側の二面があるので、そこに苦労しました。Airbnbなど他のシェアリングエコノミーサービスを参考にし、この課題に当たりました。
Q4:今後の展開について、教えてください。
まずは今年度中に、1000箇所の預かり場所の登録をめざします。また、荷物の一時預かりを行う普及・拡大をめざすとともに、空きスペースを活用した「C to Cトランクサービス」の提供も予定しています。
荷物を預かる場所さえあれば、誰でも参加できるのがこのサービスのいいところ。ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなりそうだ。まずは、サイトをのぞいてみて。(取材・文 乾 雅美)
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