イタリアでは、エンジニアリング会社のWASPが建設用3Dプリンター「BigDeltaWASP」を開発するなど、建設の分野でも、3Dプリンティング技術の活用がすすんでいる。
・家屋を丸ごと3Dプリンターで“出力”
ロシアのエンジニアリング会社「Apis Cor」は、ロシアの大手デベロッパー「PIKグループ」との提携のもと、モスクワ郊外の街スタピノで、専用3Dプリンターを用い、38平方メートルの家屋を建築した。
壁や仕切り、外構は、丸一日かけて3Dプリンターで“出力”。
さらに屋根や窓、断熱材などの取り付け、総工事費は10,134ドル(約115.5万円)となった。
「Apis Cor」が開発した専用3Dプリンターは、最大で高さ3.1メートル、長さ8.5メートル程度の小型クレーンのような形状で、一般的な重機と同様、トラックで運搬可能。建築現場で、建物全体を“出力”できるのが特徴だ。
この3Dプリンターで“建築”した家屋は、玄関、風呂トイレ、キッチンが備えられ、一般的な家屋と劣らず、快適で落ち着いた住空間になっているという。
・3D プリンティング技術により工期短縮やコスト削減を実現?
3Dプリンティング技術は、建築における工期短縮やコスト削減、資材の無駄遣いの軽減につながりやすいのが利点。実用化に向けた今後のさらなる発展に期待したい。
Apis Cor