しかし、この検査では、不快な機械の稼働音が鳴り響く狭く暗い筒状の空間で、一定時間、身動きせずに横たわっていなければならず、子どもならずとも、恐怖心を抱く被験者は少なくない。
そこで、バーチャルリアリティ(VR)を活用し、MRIへの“苦手意識”を軽減するためのツールが、英国で開発された。
・MRI検査をバーチャル体験
「My MRI at King's」は、MRI検査をバーチャル体験できるAndroidアプリ。
英ロンドンのキングス・カレッジ病院との提携のもと、アプリ開発者のJonathan Ashmore氏が開発した。
このアプリでは、臨床検査技師が待つ検査室に移動し、寝台に横たわり、寝台ごと装置中央まですすんでMRI検査を受けるという一連のプロセスを、360度のパノラマ動画によって、知ることができる。
多くの被験者が苦手とするMRI検査での大きな騒音も、この動画で再現。
スマートフォンやタブレット端末にアプリをダウンロードし、グーグルカードボードなど、モバイル端末向けのVRヘッドセットを使ってこの動画を視聴すると、MRI検査をよりリアルに体感できるという。
・バーチャル経験で苦手意識を軽減!?
「My MRI at King's」のほか、大勢の聴衆の前でスピーチする様子をバーチャル体験できる「Speech Center VR」のように、バーチャル体験によって、ユーザーの苦手意識や恐怖心を軽減させようとするツールは、少しづつ増えている。
バーチャルリアリティを活用できそうな分野は、まだまだ広がりそうだ。
My MRI at King's