いわば”家具の大衆化”の立役者でもあるイケアは、2015年に専門研究機関「SPACE10」を創設し、都市型農業ソリューションの研究開発など、次世代の都市居住のかたちを探究しはじめている。
・菜園ソリューションをオープンソース化
「Growroom(グロウルーム)」は、建築家のSine Lindholm氏やMads-Ulrik Husum氏との提携のもと、SPACE10が開発した菜園ソリューション。
高さ2.8メートル、幅2.5メートルの大きな球状の菜園では、球面に沿って野菜やハーブなどが栽培できる。
「Growroom」は、合板17枚とねじ釘500本を材料に、金槌やドリルなどの一般的な工具があれば、比較的簡単に組み立てられるのが特徴。
設計データや組み立ての手順はオープンソースとして公開されており、このデータをもとに、CNCルーターでパーツを切断し、パズルのようにつなぎ合わせていく仕組みとなっている。
・空間を有効に活用し、都市向けの菜園ソリューションに
「Growroom」は、より多くの作物を栽培できるよう、空間を有効に活用したデザインなので、スペースに制限がある都市部でも導入しやすい。
また、3Dプリンティング技術を効果的に活用し、オープンソースとして公開することで、世界中どこでも、食料の栽培を可能としている点が秀逸といえるだろう。
Growroom