「App」という映画は、スマートフォンに依存してしまう学生が主人公のスリラー。映画を観に来た観客たちは、映画館内で「App」に対応している無料アプリをダウンロードすることができる。このアプリには、“Automatic Content Recognition (ACR)”という、テレビ画面と他のデバイスをつなぎ、セカンドスクリーンとして機能させるテクノロジーが用いられている。映画の進行とともに、次々と自動でコンテンツがアップデートがされるため、観客は自らwifiや3Gを使って、いちいちデータ更新する必要はない。物語が進み、新しいコンテンツが利用できるようになると、スマートフォンが振動して知らせてくれる。例えば、パーティのシーンでは、登場人物のプロフィールやお互いの関係性などが、テキストメッセージで流れて、観客がより深く映画の内容を理解し、楽しめるよう手助けしてくれる。もちろん、上映中スマートフォンを利用せず、映画だけを観ている人も、内容はきちんと理解できるものになっているので心配はなさそうだ。
映画の大画面と、自分の手元のスマートフォンが同期することで、スクリーン内だけでは表現しきれない情報を補完しながら、さらに映画の世界に深く入り込めるというこの試み。まるで映画の主人公と同じように、あなたも上映中、スマートフォンに熱中してしまうかもしれない。
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