「Joren(ジョーレン)」は、ウェブサイトを手軽にアプリに変換する画期的なサービスだ。昨年7月頃より、海外ユーザー向けに提供を開始。これまでに70か国以上から、4,000件を超えるアプリ作成依頼を受注している。
この1月より、満を持して日本国内での法人向けサービスもスタート。なかなかアプリ開発に踏み切れなかった企業のために、活用の支援を図っていくという。
開発を手がけたのは、スマホアプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップエイプ)」で知られるフラー。CTOの藤原 敬弘 (ふじわら たかひろ)氏と、グローバルマーケットマネージャーの岡本 友理香(おかもと ゆりか)氏に、話を聞いた。
・ニュース、イベント、スポーツチームのアプリを手軽に作成できる!
Q1:先に海外でサービスを開始した理由について、お聞かせいただけるでしょうか。
(岡本氏)昨年3月、アメリカのオースティンで毎年開催される世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW」への出展を機に、海外で受け入れられると、身をもって感じたことですね。
海外では、初期段階のサービスに多くを求めず、大半の人は今あるそのままの形を認めてくれます。さらに、英語展開することで、日本人口の10倍以上いる英語理解者約17.5億人を、ターゲットにすることができます。
また、日本は独特な文化を持つ国ですので、日本展開後に後から海外展開をするとなると、大きな変更が必要になってくるケースが多いというのもありますね。
Q2:「Joren」とは、どんなアプリなのでしょうか。詳細について、改めて教えてください。
(岡本氏)「Joren」で、現時点で作成が可能なアプリは、ニュース、イベント、スポーツチーム用のアプリです。今後は店舗や決済アプリも、作成が可能になります。「Joren」を利用して現在最も価値を生むことのできるアプリは、記事が定期的に配信されるウェブサイトのコンテンツを、変換したアプリです。
すでにリピート訪問する読者やファンが多いにも関わらず、アプリを持たない状態だと、他メディアへの流出を許してしまいます。「Joren」なら、ウェブサイトのコンテンツを自動でクローリングし、アプリで見やすく表示するため、運営の手間がかからず、ダッシュボードを介して通知も簡単に送ることが可能です。面倒で難しいGoogleや、Appleの署名提出、ストア申請なども、ミニマムに処理できるようになっています。
・多彩な機能を開発中
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
(藤原氏)ウェブサイトに合わせて、記事情報を集めるクローラーを自動生成する部分と、ネイティブアプリを弊社で用意したテンプレートから自動生成する部分です。クローラー部分は、Googleと同じ精度でタイトルや本文、更新日付を抜き出す必要があります。
Googleと同じことを小さなチームで行うこと自体、大変なチャレンジです。同様に、ユーザー設定から自動でコードを組み替え、ネイティブアプリを自動生成する技術も非常に面倒で、難しい作業でした。
Q4:今後の展開について、教えてください。
(岡本氏)現在「Joren」では、アプリ内広告の機能開発を進めています。その他にもSNSのシェア機能、アプリ内限定コンテンツ配信機能、関連記事表示機能など、既存クライアントの声を大事にしながら、ニュースメディアタイプのアプリ機能を、集中的にエンハンスメントしていく予定です。
同社がこれまで培ってきた技術と経験が、存分に生かされた本サービス。プッシュ通知やGoogle Analyticsによるアクセス分析にも対応したアプリを、最短30分で作成できるそうだ。まずは、相談から始めてみてはいかかだろうか。(取材・文 乾 雅美)
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