しかし、宿を必要としているのは、観光客だけではない。仕事で各地を飛び回るビジネスマンたち。彼らも同様に、観光ブームのあおりを受けて困っているのである。
そこで登場したのが、この「TripBiz(トリップビズ)」だ。ビジネス出張者に特化した、日本初の民泊プラットフォーム。その詳細を探るべく、ダイバージェント、サービスプランナーの小林 清佳(こばやし さやか)氏に、話を聞いた。
・ホテル代高騰で悩むビジネスマンのためのサービス
Q1:まずは、サービス提供のきっかけから、お聞かせください。
旅行客の増加に伴い、各地で宿泊費が高騰する反面、空き部屋も多数あります。ホテル代高騰であおりをくらっているのは、主にビジネス出張者で、サウナやネットカフェで一日を過ごすという話も、よく耳にします。
それなら、出張費の高騰に悩む企業と、空き部屋に悩む不動産オーナーをうまくマッチングすれば、この問題は解決するのではと考えました。そこで、空き部屋を企業の一時社宅としてシェアできるような、ビジネスに特化した民泊「TripBiz」の構想に至ったのです。
Q2:「TripBiz」とは、どんなサービスなのでしょうか。
日本初のビジネス出張者に特化した、民泊プラットフォームです。近年、民泊は急速な広がりをみせていますが、「ゲスト(宿泊者)が夜中に騒音を出し、近隣住民から苦情を受けた」など、トラブルも多発しており、ホストの皆さまがより安心・安全に運営できる環境作りが急務となっています。
「TripBiz」のゲスト(宿泊者)は、すべて日本企業です。事前の審査をクリアした法人企業社員の出張や研修時の「ビジネス目的の一時社宅」として空き部屋をシェアすることで、ホストの皆さまの安心・安全を確かなものにし、効率のよい空き部屋活用の方法をご提案します。
・まずは5大都市圏での普及から
Q3:サービス構築に当たって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
ユーザーが企業になるので、一人の宿泊担当者が複数の予約を一括管理するのに、できるだけシンプルでわかりやすいUIを心がけました。
また、出張者が出先で自ら予約を入れることも想定し、その場合の上司への稟議や承認のフローも作り込みました。
Q4:サービスの今後の展開について、教えてください。
日本初のビジネス特化型民泊プラットフォームとして、まずは5大都市圏でのビジネスホテル不足問題を解決していきます。そのために、企業の空き社宅を登録できるようにし、ポイント制を取り入れます。他企業の出張者を受け入れれば、「Trip Bizポイント」が発行されて、自社の出張時に使用できるようになる仕組みです。
加えて、社宅をシェアすることによって実質、出張をただにできるようなサービスも検討中です。
ただ寝泊まりするだけではなく、自宅にいるかのようにくつろげるのが、本サービスの特長。Wifiやプリンターをはじめ、ビジネスシーンに必要な設備・アメニティがそろったリスティングを、厳選掲載していくという。正式リリースは、3月初旬の予定。それまで楽しみに待ちたい。(取材・文 乾 雅美)
TripBiz/正式リリース予告特設サイト