脳内の手術がたやすいものではないことは素人にも想像できる。張り巡らされている神経や血管を少しでも傷つけると大事につながる。
そこで、脳外科手術をより安全に行えるよう、オーストラリア・アデレード大学の研究者が開発中なのが、血管を自動的に検知するセンサーを搭載したスマート生検針だ。
・血管を傷つけないために
生検は病気の部位の組織を採取する検査。病気の範囲や程度を診断するのに有用だ。
その生検に使われる針をスマート化して、不要に血管を傷つけたりすることがないようにしようというのがこの開発の意義。
・カメラとライトを搭載
スマート針には人の髪の毛ほどのサイズの光ファイバーカメラと赤外線ライトを搭載。
使うにあたっては専用のコンピューターソフトウェアとペアリングする。すると、針が組織内を通過する際に血管の存在を認識したらアラートを出すという仕組みになっている。
つまり、生検針を刺す部位に血管があるかないかを事前認識できるので事故を回避できるわけだ。
このスマート針はすでに西オーストラリアの病院で試験が実施され、12人の患者に使われた。今後もテストを継続し、2018年にも商用化する方向で検討中という。