こうした問題を解決するために登場したのが、「クルマフリマ」だ。インターネットによって、個人間での中古車売買を可能にした、良心的なサービス。気に入った車を適正価格で購入できる上、点検や査定もサポート。新車市場に匹敵する、信頼性の高い仕組みを確立させた。
提供元は、2015年創業のGENZOU。代表取締役社長、東峯 一真(ひがしみね かずまさ)氏の第一歩は、国内中古車市場に対する不満から始まった。
・価格の算出から査定、書類作成まですべて代行
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
実家が約50年間、自動車整備・販売事業を営んでおり、中古車売買に関する業界構造に、違和感を感じていたのがきっかけです。実際に自身で大手3社の買取業者に出向き、特定のクルマを査定してもらい、オークションや中古車販売店でも同等のクルマの価格を調査した結果、(中略)非合理的な売買構造であると確信しました。
そこで、車の個人間売買を実現させることで、売り手と買い手が得をする世界を創出しようと考え、開発に着手したのです。すでに数社、車の個人間売買事業にトライしている会社はありますが、まだユーザーまで認知が拡がっておりません。早期参入と成熟市場への戦略的アプローチによって、市場シェアを獲得できると考えたのも、理由の1つです。
Q2:「クルマフリマ」とは、どんなサービスなのでしょうか。
インターネットから「お得に」「安心して」、車の個人間売買ができるサービスです。車の個人間売買には、3つの課題がありますが、「クルマフリマ」では、それらをすべて解決しております。
まず、価格ですが、「クルマフリマ」では査定員が、買取・販売価格の市場予想相場まで調査し、個人間売買の適正価格を算出します。次に、車両に対する不安ですが、こちらは売り手の自宅を訪問し、点検・査定を行い、細かな情報もすべて公開することで解決します。煩雑な書類に関しても、ユーザーのオペレーションコストを極限まで下げ、「クルマフリマ」がすべて代行致します。
・個人間売買につなぐCtoCエコシステムも構築予定
Q3:サービス構築に当たって、最も苦労したのはどんなところでしょうか。
名義変更に必要な書類が多岐にわたり、すべてを洗い出すのには時間がかかりましたが、大した苦労はしておりません。
Q4:正式版リリースは、いつ頃になるのでしょうか。それまでの展開と併せて、教えてください。
正式版リリースは、2017年6月頃を予定していますが、まだ未定です。現在は、取り急ぎ売買プラットフォームをリリースし、その後は「いつか車を売る人」と「いつか車を買う人」をマッチングして、個人間売買につなげる仕組み(CtoCエコシステム)を構築するつもりです。
また、車種によっては、日本より海外の方が高く売れるものもあるので、どちらか高い方で売れるような仕組みも検討中です。
海外では当たり前になりつつある、中古車の個人間売買。この仕組みを日本国内に浸透させていきたいと、東峯氏は願っている。本サービスによって、日本人の車離れに歯止めがかかることも期待したい。(取材・文 乾 雅美)
クルマフリマ