人々の生命や健康を保護するためにも飲用水の水質検査は不可欠だが、既存の検査システムは高価なうえ、その利用に電力や専門スキルを要するなど、実用面でも課題が多い。
・3Dプリンターで“出力”する安価な水質検査用顕微鏡
英ケンブリッジ大学の科学者を中心とする研究プロジェクト「WaterScope」では、発展途上国などの遠隔地でも利用できる、小型かつ軽量な水質検査用顕微鏡「OpenFlexure」を開発した。
この顕微鏡は、筐体を3Dプリンタで“出力”し、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」と小型カメラを取り付けるシンプルな仕組み。
3Dプリンタ用データなど、その構築に必要なデータは、オープンソースとして公開されている。
「OpenFlexure」は、そのシンプルな仕組みもさることながら、検査パフォーマンスの高さも特徴だ。
従来の10倍も早い1〜2時間以内に、大腸菌やリステリア、レジオネラ菌、腸管出血性大腸菌O157などの細菌感染を検出できるという。
・水質検査ツールの普及により、人々の生命と健康を守る
「WaterScope」は、専門スキルを要さず、簡単に組み立て、操作できる顕微鏡「OpenFlexure」を、オープンソースで提供している点が秀逸。
世界のより多くの地点で水質検査ができる環境を整えることで、より多くの人々の生命や健康を守ることができそうだ。
WaterScope