ドイツの国民的自動車メーカー、フォルクスワーゲンが誇るマイクロバス、通称「ワーゲンバス」をご存じだろうか。1950年代に始まるT1(タイプ1)から現在のT5(タイプ5)に至るまで、各年代を代表する商用自動車だ。
なかでも、1960年代のヒッピーブームにはその平面な車体にカラフルなペイントが施され、その時代のアイコンともなった。
・電動マイクロバス「I.D. BUZZ」
T1の発売から半世紀以上の時を経て、この特徴的なフォルムを持つ名車が、EV(電動)かつ完全自動運転車として生まれ変わるかもしれない。年明けに行われた米デトロイトモーターショーにて、同社が「I.D. BUZZ」として発表した。
I.D. BUZZは、同社が「新時代のマイクロバス」として位置付けるもの。ディーゼル車からEVへの大幅なシフトは、一昨年に発覚した排ガス規制不正スキャンダルのイメージを払しょくする狙いもあると思われる。
同社発表によると、一度のチャージで270マイル(約430km)の走行が可能。最大で8人乗りだが、シートを反転させて向かい合わせたり、2人用のラウンジシート仕様への変更ができ、また完全自動運転モードにも対応する。
・最新のテクノロジーを装備
もう一つの大きな特徴は、車内に取り付けられた最新のソフトウェアだ。各ドライバーにフォルクスワーゲン独自のユーザーIDを連携させることで、個々のシートやエアコンのセッティング、お気に入りのラジオ局、音響、ナビや照明等の設定までも細かに記憶させることができる。
コンソール中央には多様な機能を備えたタブレットも装備。「augmented reality(拡張現実)」システムをも備え、前方に各種情報が投影される。また、バックミラーの代わりにカメラを用いた「eMirror」と呼ばれるシステムにより、後方が映像として映し出されることになる。
半世紀以上の歴史を持ちながら、最新の設備を兼ね備えた近未来のマイクロバス「I.D. BUZZ」。具体的な生産はまだ先になりそうだが、今後の動きから目が離せない!
I.D. BUZZ CONCEPT MAKES ITS WORLD DEBUT AT THE NORTH AMERICAN INTERNATIONAL AUTO SHOW IN DETROIT
Volkswagen's new Microbus is even more 'hippie' than the original